赤坂の料亭で珍しい蕎麦を食べた!

2003年9月25日 from 首都圏

 酒を3合飲んで酔っ払っている。にもかかわらず書くのは、残したい料理に出会ったからだ。

 なぜか料亭で旨いものを食べたことがあまりない。料亭だと旨いに決まっていると先入観があるからだろうか。もしくは、自分ではお金を払わない(失礼)からか?もちろん中には、日本橋「ゆかり」のように超絶技巧に裏打ちされた日本料理の粋を、手ごろな価格で味あわせてくれる料亭もあるが、少数だと思う。

 そして今日、赤坂の料亭「浅田」に行った。某企業の面白いおっちゃんが、その出身地のためになにかプロモーションなりをしたいということで、彼の知る面白い企業の人間を呼んでの会食だ。会食自体の内容も面白かったが、ここでは述べない。また、締めの蕎麦に至るまでに並んだ料理についても述べる必要を感じない(焼き鱧と甘海老しんじょとマツタケの椀に、鯛のオカラ蒸しは旨かった)。しかし圧倒的に驚いたのは、蕎麦だ。
「美味しいお蕎麦が出ますよ」
と美人仲居さんが言う。出てきたのはおそらく二八の割合で打たれた太麺。それはいいのだが、薬味と一緒に盛りづゆが二種出てくる。ひとつは通常の返しを使ったものだが、もうひとつはほぼ無色の汁だ。
「こちらは、昆布出汁に塩のつゆです。結構人気があるんですよ。」
 正直言うと、こういうところで塩を押し出すのは好きではない。どっちかというと醤油の発酵味と香りでグイグイと蕎麦を手繰っていきたいと思ってしまう。けど、せっかくだし,,,と思い、この昆布出汁のつゆで蕎麦をすすってみた。

やられた、、、

 実に旨いのである。昆布は羅臼か。一晩水に漬けて濃い味の出汁を引き、濃縮させているようだ。旨味成分が溶出している割に、ぬめりと生臭味が出ていないのが料亭の技か。さらに塩で味がついているわけだが、この塩梅が実にナイス。塩梅というくらいで、塩というより醤油のような旨みを感じさせるのだ。そしてつゆだけではなく蕎麦もかなりレベルが高い、歯ごたえがしっかりとしており、江戸前の食べ方ではなく、ムチャムチャと噛んで楽しむのがいい蕎麦だ。
 通常の鰹とかえしの盛りづゆで試すが、こちらは今ひとつと感じた。鰹の香りが濃いのはいいが、かえしに使われている醤油の香りが引き立ってこない。ここで失敗をしてしまったのが、
「昆布だしと鰹だしを合わせると旨いのでは?」
と思い、混ぜてしまったことだ。大失敗だった、、、全然旨くない、長所を相殺しあってしまう。
そこをすかさず美人仲居さんが
「おかわりいかがですか?」
ときたので、また大盛りでお代わりをする。今度は最後まで昆布だしで食べた。
その後出てきた蕎麦湯は、そば粉が足してあり、かなり濃い蕎麦湯で実にすばらしかったのである。

 そこで耳より情報。美人仲居さんによれば

「このお蕎麦は昼もやってます」

とのこと!料亭で飯を食べてしまうと支払いが大変なことになるが、ランチなら手頃。
今度、酔っていないときに出陣を決めた。しばらく山形蕎麦にはまっていたが、加賀蕎麦もイケルのである。赤坂に在住の人はぜひ行ってください。