極上野菜料理三昧で、極楽休日。

2004年3月15日 from 食材

 竹鶴編、一休み。

 長島農園の勝美君から野菜が大量に届いた。勝美君のことは過去ログにも掲載しているので説明の必要はないと思うが、僕が関東近郊で最も信頼している生産者の一人だ。というより悪友といった感じだろうか。

 今回送ってくれた野菜は、春キャベツ2玉、ブロッコリ3個、若堀り筍3本、ルッコラセルバチコ2袋、サラダほうれん草2束、ほうれん草2束、それに深紅のラディッシュだ。僕は外に出ることが多い仕事なので、外食率も週の半々くらいになる。出張シーズンの恐ろしさはご存じの通りだ。だから、まとまった時間がとれるときには必ず自分で料理をして身体と精神の均衡を保つ努力をしているのだ。そうした時にはほぼ必ず彼に「野菜送ってくれ~」という電話をしている。

「なんだよ 料理する時間あるの?」

と言いながらも彼はその時期最高の野菜を送ってくれる。そのために僕はある貢ぎ物を彼ら家族にしているのだ。それは、、、カニである。長島家は、というより彼の奥さんのフランチェスカは、カニが大好きなのだ。フランチェスカはドイツ人で、日本に研修に来た時に勝美君が通訳をし、いたって自然の成り行きで結婚に至ったという人なのだが、とてつもない美人である。そのフランチェスカが日本にきて最も好きになったのがカニなのだ!以来、カニが旨い地域に出張にいくと必ず、長島家にカニを送るようにしている。その代わり、
僕が欲しいと思う時には無条件で野菜を送ってもらっているという関係なのだ。


 さて送られてきた野菜をどうするか。ブロッコリとキャベツは即座に茹でて一玉ずつ平らげてしまう。ブロッコリは新鮮さが命だ。すぐさま軸の根本まで塩ゆでし、ドレッシングで和えて食べてしまう。キャベツも同様だ。

 早堀りの筍は大ごちそうだ。今の時期は高値が付いているのでありがたい。これはすぐさま米のとぎ汁で煮て、筍ご飯にした。筍の味わいを楽しむために、昆布だしと醤油のみの薄味にした。が、それでは芸がないので、秋田県のi氏からいただいた魚醤の塩汁(しょっつる)である「トトミー」を味付けに使う。

炊きあがった筍ご飯は、魚の生臭さが皆無の、実に味わい深いものになっていた。3合炊いたけど、朝飯と夜食で食べきってしまったのであった。


 で、もうひとつ今回のメインはセルバチコというルッコラなのだ。ルッコラはきょうび、よくスーパーでも見かけるようになったが、比較的最近出てきた洋野菜だ。ごまの味がするとよく言われるが、それにはなんとなく抵抗感がある。ルッコラはやはりルッコラの薫りがすると言って欲しいのだ。しかし、通常出回っているのは栽培品種。今回のセルバチコというのは野生に近い品種だ。葉の形状も全く違っている。栽培品種のルッコラはカブの葉のように丸っこいが、このセルバチコはタンポポのようなギザギザ葉である。

そして最大の違いは味だ。とにかく濃い。そして薫りも半端なく強い。ルッコラは元来、辛い菜っぱなのだ。セルバチコの株元をかじると、ビリッとした辛さが舌を刺す。おそらくこの刺激が強すぎるところが、栽培品種では和らげられたのだろうが、サラダ以外の料理に使う時には、このセルバチコの方が個性が強く、よい気がする。最近は種も手にはいるようになったので、園芸家の方はぜひ育ててみるといいだろう。化学肥料を使わずに鶏糞などで育てることを強くお奨めする。薫りと味の強さがまったく別物になるからだ。

 さてルッコラをどう料理するか、、、じつはこのblogの読者でもあり、つい先日遭遇して友人となったReitaro女史は、こんな旨そうな生ハムサラダに仕立て上げたみたいである
 僕は面倒なことはあまり考えずに、パスタにバラッとかけるのがよろしい。ちょうど、このblogの読者であるKAPPAちゃんからいただいた、高知県のフルーツトマトがあるので、これを使って豪勢なトマトソースを作りパスタにしてしまおう。ちなみにフルーツトマトには僕は異様にうるさい。商売してるからね、、、ちょうど現在、熊本は八代の塩トマトというのを販売しているくらいである。でも、このKAPPAちゃんからいただいた高知のフルーツトマトは絶品であった。

うーむ、、、 素直に極上でしたわ。フルーツトマトはそのまま食べるのがもちろん旨いが、ソースにするとこれまた最高である。「そんなのもったいない」という人は物を知らぬ人である。トマトは熱を加えると旨みと酸味が活性化して美味しくなるのである。

それと、なんともいいタイミングで僕の敬愛するフレンチの名店「カストール」のWebにて、藤野シェフの手によるブロッコリパスタのレシピが掲載されている!これは作るしかないでしょう!ということで本日のブランチはパスタ二種で決まりである。

うまいことに長島君からの野菜セットの中にイタリアンパセリが一束入っていた。これとニンニクを刻み鍋に投入しオイルを熱する。

このオイルを鍋二つにとりわけ、一つには大きく刻んだトマトを投入して熱する。味付けは塩のみだ。フルーツトマトは複雑な味が凝縮されているので、手をかけない方が旨い。

ブロッコリは寸胴にしょっぱいくらいの塩湯を作り、しなしなになるまで茹でる。歯触りが全くのこらないくらいにクタクタに煮てしまうのがよいのだ。軸の堅い皮をむき、細かく刻んでオイルに投入し、加熱しながら香り付けにベルモットを少々加えた(これは藤野シェフのレシピではないが、、、)。

あとはスパゲティーニを堅めに茹で、鍋に投入してサルターレ(ソースを吸わせるようにあおる)して完成である。ちなみに僕はパスタを茹でる時には、だいたい230gくらい茹でてしまう。だって好きなんだもーん。

フルーツトマトのソースに、手でちぎったルッコラセルバチコの刺激的な辛みと薫り、濃い味が絡み合ってすさまじく美しい。ブロッコリのソースに絡められたパスタは、こちらは非常に優しく、思いがけなく深いコクがある。ニンニクオイルによってブロッコリが攻撃的性格になっている。230gの麺はすぐさま僕の胃の腑に収まってしまったのであった。

イタリアンパセリは大量に刻んでしまったので、昨晩から水に戻して茹で上げておいた大正金時豆のサラダに加えた。

こんなふうに、僕の休日は、料理をしまくって野菜を食いまくる一日となるのが常である。ああ、いい一日だった、、、

ちなみに長島農園の野菜を食べたいという人もいるだろうが、申し訳ないが通常、個人向け宅配は応じていない。どうしてもという人は、これも僕の友人がやっている、三浦半島の旨いもんを販売しているクック&ダインで買い求めることができる!
、、、もしくは、僕の家に食べに来てください。