どうなっちゃったんだ? 新橋・蕎麦「本陣房」

2004年3月28日 from 首都圏

 このblogでは、美味しかったものしか書かないことにしていたのだが、、、あまりにびっくりしてしまったので書く。

01-honjinbou.jpg 新橋と言えば、実は東京における蕎麦の激戦区だ。おっちゃんビジネスマンが多いからだろう。僕が好く行くのは「竹泉」という店だが、虎の門と新橋の中間にあり、ちょっと遠い。幸いなことに系列店が新橋駅から近いところにあるので、次善の策としてはそちらにいくこともある。それが「本陣房」だ。系列といっても、資本関係があるわけではないと思う。蕎麦の世界では有名な「一茶庵系」といわれる系列だ。詳しくは検索してみて欲しい。就職したての頃、竹泉で部長に誘われ、蕎麦を食べた。その感動が今でも忘れられない。漆塗りの膳に盛られた薬味と蕎麦と辛づゆの見事な様式美。蕎麦は完膚なきまで角が立っている。そしてなによりこの店の「田舎そば」が旨い。せいろに比べ黒々とした太麺を口一杯頬張り、かみ締めると、蕎麦の香がむんと充満するのだ。

 去る3月3日、山形の蕎麦導師である芳賀さんが上京された。東京の蕎麦を食べにお連れすることになり、どこにしようかと考えた挙句、本陣房にした。竹泉は遠いからだが、これが後悔の大元になる。
 本陣房に入ると、第一のショックが。
「本日は端午の節句ですので、メニューが変更になっています。」
といい、田舎蕎麦が出ず、かわりに桜を練りこんだ蕎麦になっているという。そんなもの、食べたくないワイ。変わりそばというのがよくあるが、あれは蕎麦ではない。茶蕎麦もしかりだ。

「田舎が無いのか、、、では、せいろにするかぁ、、、いやでもせいろだけじゃあ、足を運んでいただいたかいもないし、、、」

ということで、鴨せいろにしたのであった。

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運ばれてきてまず、芳賀さんと僕とで行うのは、何も付けないそばを1,2本すすることだ。そして、、、「しまった、、、」という念が僕を満たす。全く蕎麦の香りがしない。角はまあまあ立っているが、ダレた味である。芳賀さんも、「これはいけませんね」とおっしゃる。ああ、大失敗だ。

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蕎麦が不味いと、鴨汁も旨いと思えないから不思議だ。ちなみに本陣房、安くは無い。鴨汁せいろで1300円かな。それでこのクオリティでは、納得がいかないぞ。まだ蕎麦粉の香りが抜ける時期ではないだろうに。

今度竹泉にいってチェックしようっと。それでだめなら新橋界隈では、山形蕎麦「出羽香庵」にしかいかないぞと誓うのであった。