さぬきうどんの名店といえば「がもう」である

2004年3月31日 from 出張

01gamou.bmp 高松二日目は友人に車を出してもらってうどん詣でである。しかしさぬきうどんも本当にメジャーになってしまったものだ、、、
 僕のさぬきうどん歴はそれほど長いものではない。しかし自分の歴史に燦然と残る大記録がある。それは、「うどんを1時間半で13玉食べた」というものだ。大学院を卒業する前に、僕の農業関連の盟友である「のざけん」(現・愛媛大学講師)が興奮して一冊の本を貸してくれた。それが、さぬきうどんブームの火付け役となった「恐るべきさぬきうどん」だ。当時隆盛を誇っていたタウン誌かがわに連載されていた麺通団の連載を単行本にしたもので、すでに文庫版が出ているので、目にした方も多いだろう。

「やまけん、今、うどんが熱いで!」

「よし、俺たちも行くぞ!」

ということで、高知に実家があるのざけんが車を出し、名店を回ったのである。そのとき回ったのは、「山内」、「長田」、「緒形」(←漢字がでない)である。それぞれの店で大体あったかいの大盛りと、つめたいの大盛りを食べた。通常、大盛りは2玉である。そして長田ではあまりに旨かったんでもう一杯追加した。ということで全部数えると13玉になったのである。
 ちなみにこの時一緒に食べたのざけんは、11玉。彼は元・京大アメフト部のレギュラーである。この時はさすがに、醤油うどんで有名な緒形の駐車場で二人でぶっ倒れ、40分くらいウンウン唸っていたのであった、、、

 あんなコトはもう出来ないだろう。僕も年をとった。先日山形で9.5枚の蕎麦を食べたが、10枚に届かなかったところが限界を示している。悩ましいことである。

 その後もちょくちょく足を運んでいたのだけれども、一昨年は農業改良普及所関係で講演に呼んでもらった。その時、地元香川県の威信をかけて育種・生産されている「さぬき夢2000」という小麦の粉をいただいてしまったのが印象に残っている。これは当時プレミア粉で、製粉会社勤務の友人から「マジで分けて」と頼まれたほどだ。ご存じの方も多いと思うが、さぬきうどんの原料である小麦は、ほぼ全てがオーストラリア産である。ASWという規格にのっとった、うどんに最適チューニングされた粉が大量に安価に輸入されてくるのだ。それに対抗すべく育種されたさぬき夢2000である。これで自分でもうどんを打ってみたが、あまりに僕の技術が稚拙なので、差異までわかるもんじゃなかった。スミマセン、、、

 さてそんな感じで、行くごとに名店巡りをしていたのだが、実は一番有名店といえる店にまだ足を運んでないのだった。それが「がもう」だ。でも、がもうについてはもうここでくどくど述べるのはやめておこう。今や大ブームで、ちまたに溢れているうどん本にがもうが載らないことはないからだ。

 当日案内してくれた友人曰く「最近は観光客の方が多くて、もう地元の人がびっくりしよるわ」とのことである。そうだろうなぁ、、、
実際、うどん屋が流す排水に含まれている小麦粉が、河川の富栄養化に繋がり、汚染問題になったりと結構大変らしい。報道されない裏事情がかなりあるようだ。

 まあしかしともかくその友人も「がもうが一番美味しいよ」と言う。がもうは、完全に足踏み、手打ちの店である。最近はローラーを使ってコシをビシッと出し、機械で均一に打つ店も多い。僕はどちらでも旨ければイイと思うが、なんとなく屋号の「がもう」を耳にした時、ふんわり柔らかい手打ちイメージがあるなぁ。

 高松市内から30分ほど走り、がもうの駐車場に着く。、、、10時30分なのにすでに駐車場満杯である。店の外まで人が溢れ、ベンチなどでうどんをすする人が多い。
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「でも、回転がムチャクチャ速いから大丈夫。」

と友人が言うように、スイスイと列が進む。店内にはいるとおっちゃんが大きな羽釜でうどんを茹で上げている。このおっちゃんの生き生きとした顔を見よ!とてもいい顔、陽のパワーに満ちた勢いを感じる。この気がうどんにのりうつるのであろー。

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おっちゃんに「あったかいの大!」とどなり、うどん玉を入れた丼を受け取る。
 次に天ぷらがどーんと並んでいる中から、好きなものを乗せる。

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全部乗せたいのをやっと我慢して、げそ、ナス、ちくわ天を乗せる。そして奥のコンロに無造作に乗せられた鍋から、あったかいダシを丼にかけ、ネギを盛る。典型的な半セルフ形態である。もちろん支払いはおばちゃんにうどん玉数と天ぷらの数を申告して支払うのである。

これが僕の製作いたしましたるうどんである!

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ダシを一口すする。
ぶわっと拡がるイリコの旨み。これだ、、、瀬戸内で産湯をつかった僕には、うどんのダシといえばイリコ(煮干し)し滋味深い味なのだ。それも、ほどよい。ほっとする味だ。
うどんをすする。ほどよい角が立って、コシがあり、そしてもっちりとかみ切れる官能的なうどんがそこにあった。ここでイカげそ天をかじる。イカげそ天はたいがいの店で食べられるのだが、全国的にみても、こんなにでかいイカげそ天ぷらはさぬきにしかないだろう。これがうどんにビシッと合う!イカの風味と醤油味、そして油のコクが、淡泊なうどんの旨さを567倍に昇華せしめるのであったぁ!

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同様のことがちくわ天にも言える。関東では完全に規格外になるであろうでかさのちくわ天、これをつけないでさぬきうどんではないのであった。
 わしわしと食い進み、すぐに食べ終わってしまう。うーん もう一杯、いやもう二杯くらい食べたいよぉ できれば冷たいのと、生醤油うどんで食いたいよぉ。


 でも、ここはぐっと我慢なのだ。なぜなら、もう一軒回るからである。