これからの季節、、、無二路では羊が吉!

2004年10月28日 from

 このblogではお馴染みシチリア料理の無二路には、今もこのblogみて行く人が多いそうである。いいことだ。実は僕も手伝っているオフィシャルページのリニューアルが遅れているのも、オーナーの大塚さんが「毎日忙しすぎて、、、」というくらいに繁盛しているからである。今年の冬は、シェフの重(しげ)さんとシチリアに視察に行くことになっているので、すんげー楽しみ。もちろん、出張食い倒れ日記シチリア版になるのである!

さてそんな無二路ですが、オーナーからお願いの儀があり。

「最近、このblogを観ていらっしゃるお客様が、電話で最初からそう言ってくださるので対応しやすくなりました。ヤマケン経由のお客様は是非最初に申し伝えてください。」

そして、

「いま、うちのコースは1980円、2980円、3980円、という感じで組んでいますが、この予算内ですと、ヤマケンblogに載っているようなイベリコ豚や羊の料理は難しいんです。ですので、これは別枠で、当日ではなく事前に電話にてご相談くださいね。」

とのこと。そりゃぁそうである。今どきこんな安いコース設定で腹一杯になるのに、イベリコや極上の羊を上乗せしろっちゅうのはワガママであろう。

しかし!やっぱりこの無二路にきて、羊を食わないのは全く持って残念なことである。事前にオーナーに相談して、ぜひ羊をリクエストして欲しい。だって重シェフの羊の使い方、すんごい旨い、いや上手いんだもん。特に最近は、不定期だがミルクしか呑んでいないラムを一頭買いすることがある。僕の処には幸いなことに連絡してくれるのだけど、こういう日に当たったお客さんは最高にラッキーだと思う。嘘じゃない証拠にいくつか載せておく。

■羊のレバーをこんなに喰ったことがあるか!?

 最初にお見せするのは、先日の沖縄編から帰ってきて、水先案内をしてくれたタクに御礼をするため、食べに行った時だ。しんのすけ、竹、加賀谷、ハナという食い倒れオールキャストで攻めたわけである。席に着くなり、厨房の紅一点信州生まれ純朴少女のトモ子が、ものすごいものを持ってきた!

「やまけんさん!今日はこれを食べて頂きますよ!」

のわっ!なんじぁこりゃぁ、、、

「今日は、羊一頭分ありますので、レバーとロースとモモ肉、バラ肉など、色んなところを食べて頂きます!」

そう、この皿の奥にあるのがレバーで、手前がバラ肉だ。ん~ 食材レベルでみたのは初めてだ!すんごい楽しみである。

いつも通り絶品前菜を山盛り喰いたいところだが、ここで飛ばすと後半に失速することがわかっているのでセーブ。パスタの部で満を持して登場したのが、羊の内臓のラグーをタップリ抱かせた手打ちフェットチーネだ。

手打ちのフェットチーネに絡んだラグーは、レバーやハツなどが煮込まれていて、独特のコクと香りが漂う。そこには全くあの羊臭さはない!濃厚にしてオリジナルな味だ。

こいつにはたっぷりのチーズを絡めて、口いっぱいに頬張ろう!

「うめーよ、うめーよ!」

と喰い進む。元々食が細いタクは、このへんですでに推進力が落ちてきているような感じだが、、、

そんなの関係なく、ブツが出てくるのである!

「はい、羊のレバーのソテーです!バルサミコで酸味をつけたソースで仕上げています。」

うお、こんなのみたことない!羊のレバーってどういうのだろうか、かなり興味津々で一切れを食べてみる。ふんわりと柔らかい食感。そして舌の上には、苦みや臭みなどは全く皆無!感じるのは濃い旨味だけだ!

「おおっ 旨い!」

一同からどよめきが起こる。これは本当に初めての食感と味だ。ふんわりと柔らかい食感は、それなりの大きさがあるから味わえる。大きなパンケーキといった感じだ。そしてこの臭みのない旨さは何という奇跡だろうか。タイミングが合わないと絶対に食べられないスペシャリテである。

「うわーもう食えないよ」

とタクが静かになってきたのに、ニコニコする重シェフがやってくる。

「はい、いまからこれを出しますよぉ!」

ジュワジュワジュワワとじりじり音を立てるフライパンには、あの羊肉が鎮座している。もうその容姿だけでテーブルには衝撃が走り、ノックアウト寸前なのである。最近このblogを読み始めた人は知らないだろうが、ここに至るまでに凄まじい盛りの前菜を3皿、パスタだけで2種、レバーソテーと来ているのである。それにこんなのが加わるのダ!

この時タクの目は飛んでいた。
各自とりわけ、ソースをお好みでかけていただくが、ソース無し、香草類の香りと塩味だけで全然旨い。

タクが食わないので、俺がどんどんと喰い進まねばならなかったのである。でも、

「やまけんさん、足ります?」

と重シェフが訊くので、思わず

「パスタもうひと皿くらい食べたいなぁ」

と言ってしまった。すると、本当に珍しいものが出てきた!シチリアでは絶対に食べないだろう、カルボナーラである!

「やっぱりコッテリしてて旨いですよね、カロリー高いけど」

と笑いながら持ってきた重シェフ。あなたは神か、、、
カルボを食べるとさすがにもうはち切れそうだ。旨かった、、、

デザートを食って、この日はもう何も出来ない状態である。

どうだ?羊攻めは最高でしょう?

しかしこれはまだ前編なのであった、、、