北海道帯広・幕別町の超希少長いも品種 「和稔じょ」がいよいよ姿を現した!

2005年12月 5日 from 食材

これまでもお伝えしてきた幕別町の新しい長いも品種、和稔じょという品種が、とうとう世の中にお目見えする!「家庭画報」で有名な世界文化社の通信販売で、この和稔じょが販売されるのである。一般の人が買うことができる和稔じょはこれが初めてだろう。歴史的な販売を心から応援したい。

和稔じょ(わねんじょ)とは、このブログでは豚丼・焼肉などの帯広名物エントリの立役者となってくださっているノムさん&岡坂さんのコンビが魂を込めて育成した「長いも」の新品種だ。正式名称は「和稔薯幕別一号」。農林水産省に登録された、全国でも唯一無二の品種なのだ。

ちなみにノムさん&岡坂さんコンビは、僕の周りのブログ読者さんの間でも「あのお二人、味があるよねぇ~」と人気のある人たちなのである!本物に会うと、そりゃもう最高なのさ。

その特徴は、外見に関してはみておわかりの通り 「つるつるすべすべ」

大根か?とみまごうその純白の肌に、なんとヒゲ根といわれる細い根っこが一本も生えていない!もしご家庭にやまいもや長いもがあるなら、手にとって比べてみて頂きたい。通常はびっしりとヒゲ根が生えているはずなのに、それがないのである。これが、外見上の最も大きな特徴だ。

ノムさんと岡坂さんが長いもに関わっているうちに、選果場で洗浄の終わった長いも数万本に一本くらいの割合で、こうしたつんつるてんの芋が混じっているのを発見したそうだ。そのあまりにも希少な芋を種芋として栽培を繰り返し、ようやく今年は数千本は収穫できるか、というところまで培養したのである。

しかもこの和稔じょ、見た目だけではなく味が他のナガイモと際だって違うのだ!
食べた人が一様に 「なんだか甘さがあるね!」 というように糖度が一般品種より高く感じる。そして繊維感つまりシャクシャク感がとても強い!長いもをどれだけ食べているかによっても感覚が違うかも知れないが、僕は東北産の一般品を買ってみて比べたのでよくわかる。繊維の質、味の組成が3段階くらい緻密で上質なのである

この和稔じょについては、過去ログで述べているのでぜひお目通し頂きたい。


■長いもの新品種「和ねんじょ幕別一号」を絶品のたまり醤油漬けにして食べた!すんげー旨いよ!
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/02/post_474.html


■食の総合格闘ロード北海道を行く! 帯広はまだまだ開拓の余地一杯なのであった! その1http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/10/post_646.html

さて過去ログでも書いてあるように、和稔じょは生でも旨いが漬物にしても旨い!ということで、町田にある漬物メーカー「べにふじ」の石川さんと試作をして遊んでいた。

茶色のがたまり醤油漬け、白いのがなんと糠(ぬか)抽出液による糠漬け、そして綺麗なピンク色のが梅酢漬けだ。

この漬物シリーズが絶品!ただの長いもでも旨いのに、和稔じょのつよいシャクシャク感と粘り、そして甘さが倍増した感じになるのだ。個人的には糠漬けが最高。

この和稔じょの溜まり漬けを送ったら、岡坂さんが「旨いじゃないの!これ、やってみようか!」というのだ。

ということで、この生の和稔じょ2本セットと、こだわり浅漬けセットという商品2つが、家庭画報の自然食品通信販売カタログに載ることとなった。

■家庭画報ショッピングサロン
(リンク先ページの「体にいい自然食品」をクリックしてみてください)
http://www.sekaibunka.com/shop/

ただ、惜しいことにこのカタログの和稔じょ写真、純白ツルツルのきれいなものではない。

これは農産物の宿命なんだけど、ほとんどの農産物は一年に一回しか収穫できない。一年通じて収穫できる品目も、その品種自体は春物、夏物、秋物、冬物とすべて種が違う。従って、カタログ販売を仕様とした時には一年前に撮影したデータがなければならないのである。しかし、和稔じょは新品種であり、昨年中にはそんなことができなかった。なのでこの写真に写っている茶色いのは、一年間近く貯蔵をしていた和稔じょなのだ。一年貯蔵してこの色なんだから「スゲエ!」と驚くべきなのだけど、このカタログだけをみた人にはその素晴らしさが伝わらないだろう。

だから大きくここに書くけれども、今回届く和稔女はつるつるすべすべでシャクシャク甘~い超絶品である!

お歳暮何にしようかと思っている人はぜひこれを試してみて欲しい。2本の生和稔じょが4935円と、通常の長いも価格からするととんでもなく高い。けれども、今年この世に限定200セットしかないという希少性があるのだ。届いた先でも「なんだこりゃぁ!」と驚くこと請け合い。綺麗な化粧箱に、純白に近いおがくずを敷き詰めて、その中に綺麗な和稔じょが2本眠っている。

それに対して、和稔じょの浅漬けセットは、3種の和稔じょ漬物のセットだ。こちらは、収穫された和稔じょの傷物や、小さいものなどを使ったものだ。そう、収穫した8割くらいはこのように規格外品になってしまうのである。それを有効活用するのが漬物だ。こちらはご家庭用にいいと思う。特に糠漬けの旨さは保証しよう。

つい先日、今年収穫された最初のロットの和稔じょでの試作をしたところだ。


この和稔じょの断面の、繊維感を示すつぶつぶが堪らない!

これ、どうやって頼むのかよくわからないんだけど、家庭画報ショッピングサロンに電話すれば、会員とかになってなくても買えると思う。
電話番号は0120-919-287だ。

農産物の新品種というのは、どんなに優れていても、出るタイミングによっては見向きもされず、廃れてしまうことが多い。ジャガイモだって、年間に数十種類も試験研究されているにもかかわらず、いまだに男爵とメークインだけしか有名じゃないのだ。

でも、この新品種「和稔じょ」は実際に応援ができる品種だ。僕はこの和稔じょを世に送り出したJA幕別の岡坂さん、ノムさん、そして相澤課長の笑顔をみながら、また帯広で食い倒れる日を夢見ている。