豚はやっぱりおもしろい その2 よく管理されたLWDはやっぱりトンカツが最高だ!

2006年4月 3日 from

最近なぜか豚の仕事が多いということは先回書いたとおりだ

んで、LとかWとかDとかBとか、養豚に使われる豚の品種系統はいろいろあるわけだけれども、圧倒的に多いのがLWD、つまりランドレース+大ヨークシャーを掛け合わせた雌豚に、デュロックという雄豚を掛け合わせたものだ。まあいってみればトマトでいう「桃太郎」のようなもので、安定した品質で、農家も管理しやすい品種なのである。

黒豚やアグーといった在来種豚やバークシャーの血を多く含む、油が旨い、霜降りになりやすい品種も素晴らしいが、ことトンカツにすることを考えると、やっぱり肉質の旨さ、キメの細かさが安定したLWDが美味いなと思う。

ということをある畜産団体の若手Y氏に言うと、

「そう、そうなんですよ! 僕の友人の養豚農家の肉を送りますから食べてみてください!」

と嬉しいお言葉が。届いたのは、実に赤身の綺麗な豚肉だった。

実に滑らかな肉だ。大きさ、ロース芯の形、脂の厚み、どれも申し分ないといえる。

早速この夜はトンカツである。
ぼんぼり京橋店のお料理ジャイアンに教えてもらったように、タップリの油ではなく、カツの上部が空気に触れるくらいの脂で揚げていく。この方が旨味が逃げないのだそうだ。

さーて出来たぜ、アツイうちに食うぜ!ソースとケチャップを混ぜる暇もなく食べたい!と直接ケチャップの瓶を傾けたら、思ったより粘度が薄いケチャップで、ドドドッと一気にカツの表面を覆い尽くしてしまった!

うわああああああああ
ケチャップまみれである、、、

しかしこの豚、やはり肉質はギシッと密度の濃いきめ細かいものだった。適度に豚の香りがするのも佳い。彼の言うとおり「管理されたLWDは美味い」のである。

後日、三重県のとある養豚業者さんのところへ。ここは「コツワルド」という種豚を使っている。
その経営スタイルも非常に素晴らしかったのだが、養豚場に併設された直売所で肩ロースの切り身をみて、ビックリした!

全身これ霜降り、素晴らしい肉質である!

管理責任者のOさんいわく、

「コツワルドは通常は赤身主体の肉質なんだけど、美味く育つとこんな風にビッシリとサシが入りますね。」

やはり育て方なのである。

一番サシの入りやすい肩ロースということもあるが、実に素晴らしい。もちろん買い求めて、氷を詰めながら持って帰った。

これもまたカツにするのが最適であろう。トンカツというのは、衣をつけて脱水するあたりに極めて重要な意味がある料理法だ。通常、肉は適度なこげ目をつけなければ旨味があまり出ない。しかし、小麦粉に卵、パン粉という重層的な衣を油でこんがり揚げることによって、肉のタンパク質とはまた違う旨味が生成され、同時に肉の水分を脱水する役割を果たしてくれる。衣をとったカツを食べてみると、あまりにまずくて食えないはずだ。それはそうだ衣と肉を同時に食べてこそカツなのだ。

今度のカツはケチャップをドバッとかけてしまうこともなく成功。この断面をみれば、如何に大切に、ストレスを与えず育てられたかが分かると思う。

歯を立てるとミッシリと詰まった肉の繊維から、ほどよくジュースが湧き出てくる。噛み締める毎に旨味が出てくる王道の豚肉だ。

ことトンカツについてのみいえば、僕はBが入った豚よりも、LWDで十分に美味いと思うのである。