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2006年07月08日

そしてキーコの新しい一歩が拓かれる! 待望のシチリア料理店「アルキメーデ」が渋谷近辺に開店である! オフ会をさっそくやります。こられる人はご参加を。


さて、前のエントリに書いたように、無二路が迅速に、そして新しい路に一歩踏み出した傍らで、キーコこと重康彦シェフは、独立のための模索を続けていた。

11月くらいだろうか、独立しようと思うという話を聞いたときには正直、びっくりした。早すぎるだろ、おいという感じだったのだ。しかも個人的には、アスキーから出す食い倒れ本に掲載する店舗として無二路はすでに内定していた。本が出るのが1月中なのに、その1~2ヶ月後にシェフが替わるというのはどういうもんかな、と少し逡巡したことを告白する。

けど、よくよく思い返してみれば、昨年2月にキーコと一緒にシチリアに遊びに行った時、彼は「自分の店を持ちたいなぁ」と漏らしていたのだ。

「やっぱり自分の好きなようにやりたいよね。オーナーはありがたい存在だけど、最終的には全てを自分で決められる店をもちたいんだよ」

シェフであれば、いつかオーナーシェフになって自分の店をもちたいとおもうのは当然だろう。しかし素早いなぁ、、、心の中では正直なところ、このタイミング、果たして大丈夫かな?という気持ちがあった。

実際、無二路の大塚オーナーに彼がそれを告げてから、新しい店を立ち上げるための作業をスムーズとは言い難かった。資金繰り、店舗探しなどは難航。彼もそうした経験はないし、資金計画をたてて金融機関にプレゼンをして、というようなことができる性格ではなかったのだ(笑)

そんな中、彼の力になったのが、一足先に錦糸町「井のなか」をオープンさせた工藤ちゃんだ。

「アニキ、重シェフの腕があれば大丈夫!僕の経験したことを全部重さんに教えてあげますよ!」

と、様々な融資関連の情報を集め、金融機関向けにどういう資料が必要で、どういうプレゼンをしなければならないか等を、いちいちキーコの家に行ってまで熱心に相談にのってくれたのだ。
そして、一部の人は知っているだろうが、、、なんと「井のなか」開店当初、キーコはヘルプとして厨房に入っていたのである(爆笑)。

無二路にいったことがあった人なら、厨房にいる顔の濃いやつをみて「あれ?どこかでみたような、、、」と思ったかもしれない。そう、しばらくの間、キーコは「井のなか」で和食を作っていたのである。それどころか「ぼんぼり京橋店(今は東京バルバリに改称)」の小池シェフも井のなかに料理を教えに来ていたわけだが、この間にキーコと小池君の親交もできた。なんだかすごいことになっちゃっていたわけである。

店舗の候補はいくつか浮かんで、そして消えていった。なかなか良い店舗が見つからない。または、先方との条件交渉がうまくいかない。ぎりぎりのタイミングになったとき、渋谷近辺によさそうな物件を発見したという連絡があった。そこからは堰を切ったようにスムーズにコトが流れ出したのだ。

店の名前は「アルキメーデ」
歴史上の人物であるアルキメデスのことらしい。なんとこのアルキメデス、シチリアのシラクーサ生まれなのである!そうなのかぁ、そんな由緒正しい町だったのである。上の写真が、この店のロゴマークだ。実はこのロゴマーク、僕の会社である株式会社グッドテーブルズのロゴマークを製作してくれた、イタリア在住のデザイナーである工素子さんによるものだ。かっこいいでしょう?重も奥さんも大喜びで、このロゴマークが決まった。ロゴ内にクッチーナ・シチリアーナとあるように、純然たるシチリア料理の店なのである。

で、申し訳ないのだがまだお店の住所とか電話番号は「まだ書かないでくれー」ということだったので、まだ載せることができませぬ。ただしヒントを書いておきましょう。
・JR渋谷駅から1駅、電車に乗ります。
・その駅から歩いて1分のところにあります。

こういう店なのだ。

「いやぁ~、内装も外装もいい店に仕上がったよ!」

と満足顔のキーコ。壁面はシチリア色だ。

まだ工事中の時に訪れた店内。最高で18人だから、大きい店ではない。

「当初は厨房に最高でも3人しか入れないから、キャパはそんなもんだよね。」

しかし厨房に関しては重の徹底的な要望をきいた奥さんによるきちんとした設計で、ばっちりのものが仕上がったという。

「ほら、コンベクションオーブンもあるし、グリル用に分厚い鉄板も買ったんだ。肉もパンも魚もなんでも焼けるよ!」

と小躍りしそうな重の表情だ。よかったなぁ、自分の店が持てて!

シチリアを代表する芸術家、デ・シモーネの絵皿がいろんなところに配される。シチリア旅行中、色んなところで見かけた絵だ。

厨房に入ると、細長いサンマルツァーノ種のトマトが転がっている。

実はこれ、横須賀の長島農園のトマトなのだ。「井のなか」に居たと言うことは、僕が紹介した長島農園野菜に触れたわけで、当然の流れでアルキメーデも同じコトになるわけだ。しかも長島農園の野菜は洋野菜が多く、どちらかと言えばイタリアンの方に向いている。実は無二路と縁ができてすぐに長島農園の野菜や色んな野菜を持っていったのだが、ようやく仕入れでの縁結びが実現したわけだ。これも感慨深い。

と、コンロの上にでかい寸胴があり、トマトソースがかけられていた。

「実は今日はじめてここで料理したんだよ。長島さんのポモドーロをソースにしたんだ。」

「うおおおおおおおおおおお食いたい!パスタ茹でてくれよ!」

「オッケーオッケー。やまけん、この店の初めての料理を食べることになるよ(笑)」

おおおおおおおおおお 光栄である。 これは役得ということで頂いておこう。

まっさらの鍋で、スパゲッティとポモドーロを和えただけのシンプルなパスタ。イタリアンの原点ともいえるだろう。

このシンプルきわまりないパスタが死ぬほど旨い!

トマトが旨いというのは間違いないことだけど、それだけではない。重の料理の特徴がビシッと出ている。輪郭のはっきりした、彼の顔のように濃い(笑)個性が、シンプルな料理からもにじみ出しているのだ。
いや、やっぱり最高だ。

「まあ、潰れない程度にちょぼちょぼ入ってくれたらうれしいよ。いっぱい人が来ちゃうと大変だからね。」

とはいうものの、申し訳ないがそうはならないだろう。いっぱい人が来ると思うぞ!
だって、重の料理は本当にオリジナルなものだ。シチリア料理をそのまま出すわけではなく、そこにキーコのオリジナルな要素が入っている。それは「日本人向けにする」という手の加え方ではない。キーコオリジナルとしか言えない、とても微量な要素なのだ。しかしそのあまりに微量な要素が、彼の料理の存在感を決定づけている。

そして7月7日、ごく内輪のレセプションが開催された。
綺麗に内装が仕上がり、ホールには奥さんがサービスで立ち働いている。

「簡単なモノしか用意できないよぉ~」

と言っていた重だが、30人くらいが訪れたそのレセプションで、みなが料理に群がるのを観て「これはやばい」と思ったようだ。結局かなりの皿数を出していた。






この日、工藤ちゃんの店にも肉を入れている鹿熊(かくま)種豚場の鹿熊さんも一家で登場。まだこの店できちんと使うことになるか決まっては居ないが、あのミルキーで絹のようなきめ細かい肉質の鹿熊豚(LW)がこの日はプレゼントとして振る舞われていたのだ。



横須賀からも、農作業を終えた長島君が駆けつける。ワイン2本くらいあけて酔っぱらっていたが、収支ご満悦。

「実は僕の野菜、フレンチレストランさんにはかなり出させてもらっているんですけど、イタリアンは初めてなんですよ」

おーそうだったっけ?
おそらく素材の味をストレートに出すイタリアンに、彼の野菜はベストマッチではないだろうか。

重に野菜の使い方・特徴を教える勝美君。
このアルキメーデでは野菜にも注目して欲しい。単なる付け合わせではないのだ。



パスタが出てきて、レセプションは最高潮。
この間、キーコはずーっと厨房。もう一人、野口君という男の子が入っていたが、もう一人セカンドでたてる人間を捜しているという。誰か、イタリアンの深い道に入りたい経験者がいればぜひ名乗りをあげていただきたい。そうそう、活きの良いホールも探しているので、もしバイトしたい人がいれば連絡を。

「本当に皆さんのおかげでここまでくることができました。美味しく楽しく食べて呑んで頂ける、そんなお店にしたいので、是非今後ともよろしくお願い致します!」

というキーコの短い挨拶。ホントに短い!

キーコこと重 康彦は、本当に不器用な人間だ。
なにか考えをまとめたり、人に伝えたりするとき、その不器用さが明瞭に出ることがある。
でも、その不器用さは、神様がキーコの能力を、料理の才能の方により多く注入したからじゃないだろうか、と思う。キーコは、その手が生み出す料理で語るのだ。

さて
さっそくオフ会を開催したいと思う。

「まじ、もうやるの?」

やるんだよ、キーコ、、、

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日時: 7月21日(金)19時30分~ 
場所: 渋谷から一駅。申し込み当選された方には別途連絡します
会費7500円(税別)
(キーコのお任せコース、数種の飲み物込み)
定員:18名
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・名前
・連絡用メールアドレス
・一言
を添えて連絡してください。
日程が近いのでキャンセルはご勘弁を。

さあ、楽しみだ!
キーコ、開店おめでとう!新しいシチリア料理の歴史を日本で拓いていってください!

Posted by yamaken at 2006年07月08日 14:38 | TrackBack