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2006年12月04日

岩泉の短角牛の三段重ね重が世に問うものとは何か!


ものすごいギフトをいただいてしまった。
短角牛の様々な部位の精肉を3段のお重に詰めた、豪華なセットだ。
京都の焼肉店グループである南山という店が企画したものだ。この南山の経営者の方が、「やまけんさん試食してみてください」と送ってくださったのである。

価格を聞いてみてびっくり、21000円である。ギフト商品で、しかも短角牛だという希少性をみても、すげえ金額だなぁと思ったのと、そのような金額のものを試食した場合、ブログに掲載することが暗に要求されていたりして、という心配もあったのだ。

2004年から書いていて驚くのだけど、いまだにこのブログには僕にお金を払って、または無償で商品を提供することで掲載されている商品があると思っている人が多々いるらしい。先日も大変お世話になっているかたから、「なんかね、やまけんちゃんのブログのことを話したら、『あれはご馳走になったりしたものから載るんだよ』なんて言ってるのよ~ ホントのところどうなの?」と訊かれた。

んなアホな。無償提供されたものを全て掲載していたらとてもじゃないが書ききれない。ほぼ毎日サンプルが届くのだもの。お店もまたしかり。このブログは僕の生き甲斐なので、そんなことはしないのである。

しかしながら、今回の三段お重はちと高額だ。どうしたものかなぁ、としばし逡巡している間に、そのお重が届いてしまった。その内容を吟味して、かつ南山の短角牛に対する取り組みを訊くと、実に孤高といえる挑戦をしているということがわかった。応援したい気持ちを込めて書く。

◆南山のWeb
http://www.nanzan-net.com/hanbai/gift.html

短角牛の話はこれまでかなりしてきているが、僕が交流しているのは岩手県山形村というところで飼育されている短角牛だ。短角の産地はいくつかあって、大体が岩手県や青森県、北海道という北部中心となっている。そして今回の南山が取り組む短角産地は岩手県の岩泉町だ。実は山形村の牛は大地を守る会という、有機・特栽農産物の宅配グループにのみ出荷されている。先頃の「日本一高い牛丼」イベントを実施した広尾の山藤は大地が出店する店なのだ。

で、それ以外の一般の飲食店等が短角を買いたい場合は、それ以外の産地となる。

「日本で肥育される短角牛3000頭のうち、1500頭が岩手県産です。山形村と岩泉町でそれぞれ各500頭肥育されてますので、岩泉町も山形村と並ぶ短角の名産地なんです。私たちのグループはこの岩泉町の生産者さん達と出会い、この年末に5頭の短角牛をおわけいただくことになりました。」

というのは、南山グループの孫(そん)さんだ。

「まるごと1頭ほぼ全ての部位をまんべんなく分け合う商品構成にして、厚切り肉、薄切り肉・・・と、部位ごとに丁寧に隠し包丁も入れて、それぞれの美味しい食べ方指南書もつけ、家庭で手軽な焼肉パーティーができる「お重」にしたのがこの商品なんです。

岩泉町の生産者産たちも国産飼料のみ使用していて、中には岩泉で獲れた餌だけという牛も居ます。岩泉の伊達町長は、すばらしい方で、「伊達の家が潰れても日本に何の影響もないが、短角牛の生産者さんが潰れたら、岩泉の文化が消える・・・。どうしても生産者さんの暮らしは守らねばならない」
と仰って、短角を安売りしないで、生産者さんに還元できる利益をもたらしてほしいと仰いました。それで、生産者さんに失礼にならならない価格で仕入れたいと交渉しながら取引をさせていただいています。」


ちなみに、実際に訪れたことはないけれど、南山店頭ではなんと短角牛の内臓(ホルモン)も提供しているという。と畜場では内臓と精肉は分離して流通されてしまうのが普通なので、これはとても貴重な話だ。ていうか俺も短角の内臓を食べてみたい!

三段重ねの重には、予想以上に肉が詰まっていた!

ステーキ肉、厚切り肉、焼き肉用のバラやモモに加えて、タタキで食べられる肉やチャーシュー風の肉など、様々な味わいを楽しめるようになっていた。

南山グループの料理ももちろん入っていて、韓国料理のジョンと各種タレ、そしてキムチなども入っている。我が家では4日かけて食べました。しばらく肉は必要ないというくらいに腹一杯。

短角牛の場合は、ゆめゆめ血の滴るレアで食べるということはしないのがよい。あれはサシが入った肉に旨い食い方であって、短角など赤身中心の場合は焼き色がつくまできっちりと加熱しないと味が出てこない。そうして塩(お重についてきた)だけで食べる短角は、肉汁に含まれるうま味成分があまりに豊富で、噛み心地とあいまって本当に肉を食べているという気持ちになる。

これを読んでいる人にとって21000円の価値があるかどうかはリンク先を見て各自ご判断いただきたいが、手に入りにくい短角牛の、各部位別に味わえるいい機会であることは間違いない。

しかも5頭もの短角を一頭買いするというその勇気が僕は気に入った。
通常、牛の一頭買いなんてよほどのことがなければ出来ない。寿司屋でマグロ一匹買うことが普通はないのと同じように、焼き肉店の売れ線であるロース、カルビ、バラなど脂の乗った部分だけが精肉として買われていくのが通常だ。それなのに、売りにくいスネなども含め一頭分買うというのは、本当にその産地を応援するという姿勢の現れだと思う。

ということで、南山さん、豪華なお重をごちそうさまでした。岩泉の短角、美味しゅうございました。
取り組み、応援いたします。5頭分しっかり売り切ってくださいね!

Posted by yamaken at 2006年12月04日 08:39 | TrackBack