ひさびさのオフ 伝説のタベアルキスト・マッキー牧本さんとの邂逅。 東京バルバリで肉林の迎撃!

2007年6月12日 from 首都圏


大学生の頃からdanchuを愛読していた僕が、特に「この人、面白いなぁ」と思って読んでいたのがマッキー牧本さんのコラムなどだ。「タベアルキスト」という肩書きは、当時まったくなんのことやらわからず、そんな職業があるんだなぁなどと思ってもいた。

そのマッキー牧本さんからメールをいただいたときは、本当にびっくりするやら感激するやらで、姿勢を正してしまった。

「今度、メシでも食いましょう」

しかしその頃といえば、本業の農産物関連の仕事と、いろいろオファーをいただき始めた各種執筆が折り重なるようにして繁忙になっていった時期だった。友人とも飲めず、食い倒れ日記も書く暇が無く、ストレスをため込んでいた時期である。

「ぜひぜひいきましょう!」

と返事しながら実現せずじまいだったのである。
そしてようやく仕事のバランスもとれて、一息ついたかなぁ、というタイミングでマッキーさんからメールが!

「写真、綺麗ですね。どうやって撮ってるんですか?」

もうこれを逃してはイカン!
実際に写真撮ってるところをお見せしますよ!ということで飯を食うことになったのである。
さてどこにお連れしようかな、、、
マッキーさんは肉焼き関係ではかなり造詣が深い。だから、ここはあえて若手肉焼キストとして推せる、東京バルバリの小池君のところに行くしかないなと思ったのだ。

「小池くーん、マッキーさんをお連れするよ!」

「あ、J-Waveでよく出てる方ですよね?」

そう、マッキーさんのFMラジオ番組を彼らも仕事の合間に聴いているのであった。
準備万端。そしてとうとう初対面となったのである。

ご一緒の女性は、食系の某週刊誌で執筆するI女史、である。
マッキーさんの本業は、某レコード会社の超・重要人物である。でも名刺は「こっちのメシの方をあげるね」と、ぜんぜん違う肩書きのを貰いました。僕より16歳上とのことだが、お若い!身体もガッチリ!

「あんなに外食多くて、節制したりしてます?」

と聴くと、

「全然してないよー でも身体にはなんも異常ないね」

とのこと。まさにタベアルキストとして生まれてきた人である。
そうか、あんなに食べても大丈夫なのね。俺も安心して遠慮無くガンガン食べることにしよう。

さて
この日の小池君はさすがにさすがにすごかった、、、
特別に書いてくれたメニューを持って帰ってくるのを忘れてしまったのでうろおぼえ書きにしておく。

■前菜三種 水茄子のトマトソース、若鮎のマリネ、ウズラのなんたらかんたら(ゴメン)

若鮎の南蛮漬けと言ってしまえばそれまでだが(笑)たしかイタリア名がついていた。若鮎のはらわたのほろ苦さと白ワインビネガーがビシッと合う。

このウズラ料理、覚えられないようなイタリア名なんだが、マッキーさん曰く「ウズラのトンカツだよ」とのこと。しかもウズラのモモ肉にレバーのミンチが詰められている。美味なり。

僕がいつものようにオリンパスE-410とストロボ、そしてディフューザを組み合わせて撮影し始めると、
「おーそうやって撮ってるんだ!」
と反応してくださる。いきおい、力を入れて撮影したのである。

■大根の生ウニ詰め ジュンサイとツルムラサキ

これは綺麗に撮れた。
ストロボの光をどの角度からあてるかによって写真の雰囲気がガラッと変わってしまう。この写真はみればおわかりのように、左後ろから当てている。

それにしてもこの辺からすでに、マッキーさんが「うーん、、、手が込んでる、、、」と唸り始める。
小池君、頑張れ頑張れ。

■ホタテ貝と牡丹海老のタルタルのミルフィーユ

出た!
小池君お得意の重ね技である。
過去何回もこうした五重塔的重ね技料理を食べているが、どれも旨い。しかも一度も同じのを食べたことがない!

繊細でサクサクな生地と生のボタン海老とホタテのタルタルのふんわりした香りが混ざる中に、フレッシュなレモンの香りが立つ。それも、実にジャムのような濃厚な、甘やかな香りである。

「うーん なんだろうこの濃縮されたレモンの香りは?」

とマッキーさんも考え込みながら黙々と食べておられる。後で小池君に聴いたら、「レモンをコンフィしたものを入れてあります」とのこと。コンフィチュールで香りを濃縮していたのである!
これは絶品であった、、、

さて肉である。

■串焼き4種 バルバリ種の鴨、岩手短角牛、牛ハツ、サルシッチャ

左から鴨、短角牛。鴨は茨城の西崎ファームからのもの、短角牛はなんと二戸の山長ミートである!どちらも素材として由緒正しきよい食材である。

牛ハツ、サルシッチャ。このサルシッチャが実によかった。詳しい解説はきっとMixiで牧本さんが書かれると思うので割愛。

■小鳩の燻製とフォアグラのリゾット乗せ

本日の流れの中で、この一皿が異様にガツンと決まっていた。

小鳩はピックル液に漬けられ、塩抜き後に軽く燻されている。燻煙香が程よく、成鳩よりもあっさりとした、でも旨みはたっぷりと湛えられた小鳩の柔らかな肉の風味を壊さない。小鳩の弾力ある肉を一口で食べたいがため、せっかくのフォアグラと一緒に口に入れられなかったのが残念だ。
なおかつこの土台となっているリゾットがまた美味。

各種塩漬け肉片、トレビスなどが入っているようで、コッテリ脂ぎっているのに起伏のある味で、ぺろんと食べてしまう。

引き締まった小鳩の足肉、旨いに決まっている!

最後、フォアグラをぐちゃぐちゃに壊してリゾに絡め、おやきのような状態にして食べる。

「うーん ここはこういう料理を箸で食べさせるところがイイね。ナイフとフォークで食べるのと、全然違う印象になる」

とマッキーさん。

さて、大技のココットが出てきた!
IKEAで買ってきたという超特大ココットの中身は!?

オマール、ホタテ、スズキの蒸し煮である。スズキは予めソテーされているものが配されている。

これを、手前の黄色い、もったりした物体をソースに食べる。これ、ポテトである。

「アイオリをイメージしてますが、アイオリだともう飽きちゃうので、違う味にしてます」


ポテトの裏ごしにカレー風味、卵黄も入っていると思うが酸味が実にポイント。ビネガーで酸を補ったことで、白ワイン蒸しにした魚介を飽きずに食べさせる推進力がある。

■パスタ トウチと山椒の香りをきかせた手打ちタリオリーニとトマト、茄子

このパスタがまた滅法旨かった!

タリオリーニの冷製だと麺が締まらないんじゃないかと思っていたが、「卵黄を多めにしたんで、ブッチンっていう歯応えが出てると思います」という小池君の言うとおり、ハードな噛み応えで旨し。ミョウガと山椒の利いた苦みがまたたまらない。

「やまけんさん、最後なにか要りますか?」とテッペイがいうので、カレーを所望。

最近、ぼんぼりグループは日本橋蛎殻町にカレーの店をオープンした。そちらのほうにカレーメニューを寄せてしまったので、このバルバリではあのブラックカレーを食べることが出来ないのである。そのため、新しく作ったのがこのキーマカレー。

小池君にしては珍しくスパイスの香りを(とくにコリアンダー)前面に押し出した、とがった味のキーマだ。
これも僕好み。濃厚、ビリ辛、スパイシー。

最後、先ほどの魚介の白ワイン蒸しのココットの底に溜まっていたスープをいただく。

こゆいこゆい、魚介のイノシン酸とアルギニン酸を堪能。

それにしても、歴戦の勇士であるマッキーさんは当然ながら、ドルチェまでしっかり食べるI女史の底力がスゴイ。さすがにタベアルキスト軍団なのであった。

マンゴーのパフェ?に定番の紅芋酢アイス。アボカドとバナナのカタラーナ。

このビワのアイスクリームのチェリータルトが旨かった。

ここで小池君登場。

気づいた人もいるかも知れないが、小池君は以前の100Kgオーバーの体重から、なんと20Kgの減量を敢行し、大成功を収めた。最近は、高校生時代にやっていたボクシングジムにもまた通い出しているという。

マッキーさんはこの店を気に入ってくださったようだ。お連れした身として、一安心。
それにしてもマッキーさんの食に対する造詣の深さには恐れ入った。野菜の来歴などに関しては僕よりも知識があるのではないか!?脱帽である。

昨日マッキーさんが話してくださった金言、大切にしたいと思う。
いやー ごちそうさまでした!

PS 東京バルバリで、7月28日の隅田川花火大会に屋形船を借り切り、スペシャルパーティをするそうです。んで、食い倒れ日記の読者さんもお招きをというお誘いを受けました。これは後日正式に募集しますね。