宮崎~鹿児島出張記録

2008年2月 6日 from 出張

宮崎空港に到着したら、その足でまずは3Fにある魚山亭空港店に向かうのが僕の定番だ。宮崎市内でいろいろなチキン南蛮を食べてきたけれども、この店のが一番好きなのだ。

と言うと、宮崎の人は「え?」という顔をする。
郷土料理店として県内外に展開している魚山亭で、しかもわざわざ空港にある店に足を運ぶ県民は少ないだろうから、当然だ。けど、魚山亭は実はチェーンというよりグループという考え方で、店舗ごとに味が違う。店長の裁量でレシピが変わる柔軟性を持っているのだ。そしてこの空港店のチキン南蛮のタルタルには、トマトソースが少しはいっている。だからよくある白~淡黄色のタルタルとは違い、少し赤っぽいのである!

あと、有名なおぐらチェーンなどでは胸肉を使用している。胸肉は油分が少なくぱさつくため、タルタルソースがコッテリしているケースが多い。一方、魚山亭のチキン南蛮はしっとり柔らかなモモ肉である。それを一口大に切ってあげたのを南蛮甘酢にくぐらせたのに、前述のタルタルをかけている。
胸肉&コッテリタルタルの組み合わせも美味しいが、個人的にはこちらのモモ肉&あっさり酸味タルタルのほうが好きなんであった!

とくに僕の場合は、冷や汁も一緒に頼んでご飯にかけたところへタルタルソースを少しだけ混ぜて食べるのが極めつけに好きだ。

この食べ方をしていると、宮崎の人も「そんなんみたことない!」と笑われてしまうのだけども、、、

ということで、宮崎入り。

県の産業支援果のN女史と、もうお一方はなんと長年ブログを読んでいただいているという建築デザイナーさんである。僕に会うためにわざわざ空港にきていただいてしまったらしい。どうもでした!


さて講演先で何人もの農業者さんに出会ったが、以前本ブログで、西都市のマンゴー部会が台風直撃で大変になったときに義援金を募ったことがあったのを覚えておられるだろうか。

■宮崎県西都市のマンゴー部会長さんに、義援金が手渡されました。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/09/post_635.html
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/09/post_643.html

あの島地部会長さんが、講演の案内を見て駆けつけてくださった。

「昨年はマンゴー、佳かったでしょ!」

「いやおかげさまで、、、部会のみんなも元気でやっております」

というお話だった。よかった、、、

宮崎といえばこの時期、金柑(きんかん)が出荷されている。

「うちのハウス金柑は糖度が21度になりますよ!」

と食べさせてくれた金子さんの金柑、たしかに甘く味が濃いものだった!

彼は建築関連からの農業参入組で、やる気満々の若手だった。

さて講演終了後、宮崎県農業会議を囲む面々が連れて行ってくれた店は、一番街にほどちかい季節料理「かわの」。

ここでいただくのは、尾崎牛づくしコースだ。
尾崎牛ってなんだ?と思ったら、なんと土地やブランド名ではなく尾崎さんという人そのものが生み出す和牛肉なのである!

■尾崎牛のWeb
http://www.ozaki-beef.com/

この人の話を書いていくと、むちゃくちゃ長くなりそうなすさまじい半生と、そして多方面に展開するバイタリティあふれる畜産経営をしている方だった。

■焼き白子のあんかけ

■尾崎牛握り

さきの金子さんの金柑リキュール。炭酸で割ると旨い!

■尾崎牛しゃぶしゃぶ

■尾崎牛の炭火焼き

■尾崎牛煮込み パイ包み焼き


正直、短角牛を通じて霜降り信仰の否定をしている僕としては、「きっとこの肉、重いなぁ」という感じだったのだが、そんなことはなかった。餌の工夫とストレスのない飼養管理で、サラッとした脂を作り出すことに成功している。ビール滓等の麦主体の飼料設計だそうだ。この日、握りで出てきた肉はもも肉で、実にいい酸味を有する、良食味の肉だった。炭火焼きはやはり僕には脂が強いか、と思えたが、すね肉の煮込みは実に美味しいシチューだった! 

農業会議の皆さん、尾崎さん、ごちそうさまでした!

さて僕はその後、座を移って違うメンバーと懇親会。

手前の沼口君はいつもながらの仲。手前右にいらっしゃるのはアジア・中国ビジネスコンサルタントである田中さんだ。そして、ブログをよんでトマトを送ってくださった、トマト農家の新門さんご夫妻、地元でこだわりスーパーを展開する宮田さん、飼料会社の柏田さん、そして著名な獣医師さんであり、和牛コンサルタントである松本大策さんだ。

新門夫妻のトマト栽培は、養液を用いる、いわゆる水耕栽培だ。僕自身は水耕はあまり好きではない。それは、必然的に化学肥料ベースの養液になってしまうからだ。しかし新門さんの栽培スタイルは、ここでは書くことができないのだけど、極めてユニークな理論であり、通常のトマト農家なら「何それ?そんなやり方でいいの?」というものだ。そして生産されるトマトは実に良い食味。

「うちは、ほどほどの価格で美味しいトマトを、という考え方なんです」
というように、糖度のみの追求とは違い、ほどよくうま味の乗ったトマトだった。
セミドライトマトなども造っており、なかなかに旨い出来だった!

ちなみに一番街からすぐのこの店、店名をわすれてしまったがとてもいい居酒屋だった。

ニンニクの葉と宮崎牛の炒め物

和風パスタ どちらも美味しゅうございました!
そして最後の〆は、やはり宮崎名物である釜揚げうどんだ!


「おだまき」の釜揚げは旨い!
さぬきうどんブームで、腰の強い麺が売れ続けたけれども、最近は柔らかい麺が好きだと思うようになってきた。この店のうどんは柔らかめの中細うどんを、熱く濃いつけ汁で食べるものだ。実に佳い、、、

こうして宮崎の夜は更けていったのである!