うどん用国産小麦のニューフェース・「きたほなみ」のうどんを食べてみた。北海道は北見農協のきたほなみを、望月製麺所がうどんに試作してくれた!

2009年4月17日 from 農村の現実,食材

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ラーメンサラダ「ラーサラ三郎」が好評の望月製麺の泉田さんから、「ホクレンの寺尾さんからきたほなみが届いたので、試作したのを送りまーす」という連絡がとどいた。

きたほなみは、北海道で開発されたうどん用小麦品種だ。従来つくられていたホクシンという品種は、味はよいものの、少し黒ずんだ色になり、コシもまだ十分ではないという評価だった。それを克服し、さぬきうどんにも使われているオーストラリアの純白系コシがやたら強いASW品種に負けないものを創ろうということで育種された品種だ。

ホクレンで僕を札幌の旨いもん漬けにする張本人である寺尾さんは、この4月から北見支所に異動。北見といえば飲食店の裏に積んである「北見F1たまねぎ」という段ボールを見たことがある人も多いはずだ。北見のタマネギは一大産地である。しかしきたほなみも創っているとは知らなかった!

さっそく、釜揚げを溶き卵に投入する「釜玉」と、冷水で締めて醤油で食べる二通りで試食してみた。釜玉といえばさぬきうどんの山越だなぁ。うーん あれは旨かった!

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で、結論からいうと、きたほなみのうどんは実にイケル! 釜玉うどんにすると、水で締めていないのでやわやわになってしまうかと思いきや、湯との境界部分は柔らかく、しかし噛みしめるとブリンとしたコシがきちんと通っていて、気持ちよい。

きたほなみを試食した友人の話では「灰分が少ないこともあって、香りにはやや欠ける」という評価だったけれども、香りが少ないと感じることもなかった。実に美味いうどんではないか!

さてお次は冷やして醤油うどんで。

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む、、、

釜揚げの方が旨い、、、

さぬきうどんの冷や冷やの旨い店は、うどんの芯がブリンとしたコシになっているけれども、こちらは全面的に均一なコシ状態で、歯ごたえはあるものの、ちょっと退屈な食感である。

しかし、それは製法によるものであった。上記を望月製麺の泉田社長に連絡したら、こうお返事があったのである。

 

真空ミキサーで練っているので小麦粉と水が均一に結着しているのでそうなり、それが手打ちとの違いになります。(ミキサーを使用している側からすると、良い事です)
私が試食した時は腰があり、食感的には「外麦(プライムハード)」に近づけようとしてますね!確かに「香り」「味」は現在の道産小麦より弱い感じがしました。「北ほなみ」のスペックは判りませんが、「小麦たんぱく」が多くなると私的には「味」は無くなるように思われます。ただ、「タンパクの内容」にもよりますので、そこが難しい所です。
今回は5kしかありませんでしたのでこれだけでは判断できません。いろいろ練る時間、水の量、塩の量などまだ、調整して行かなければ結論は出せませんが…

ふうむなるほど!

泉田さんが言うように、コシの元となる蛋白質が多くなったことで、逆に香り成分は減少しているようだ。しかし、香りがブワッと立つパンやパスタに比べ、うどんにしたときには、近年では食感やのどごしが優先して評価される傾向にある。そういう文脈では、きたほなみはかなりイイ線いってること間違いない。

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とにかく僕は、日本の伝統的なたべものであるうどんのほとんどが、外国産麦で出来ているという状態が気持ち悪いのである。自分の国で創られた麦で美味しいうどんが出来ること。それを食べると言うことが、ようやく本当に「日本のうどんを食べた」ということになるのではないか、と思う。

きたほなみに、ひきつづき期待をしたい! 寺尾さん、泉田さん、ありがとうございました!