NYドライエージングビーフツアー二日目 7店舗みまくりでエイジドビーフの売られ方がちょっと見えてきた編 その3 夜メシはデル・フリスコにてエイジドビーフのステーキめいっぱい。

2011年6月27日 from 出張

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夕食は、大きなホテルだったか銀行だったか、の1Fロビーを改装してオープンしたデル・フリスコへ。

■デル・フリスコ http://www.delfriscos.com/

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天井が高くゴージャスな店だが、ぼくらは20人の一行なので地下のワインセラーに面した個室へ。

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みんなゴージャスな雰囲気に少し呑まれ気味。でもこの頃になると、アメリカに来た!という興奮状態からだいぶ冷めてきているので、みなかなり料理にもサービスにも客観的な評価を下せるようになってきていた。

このデル・フリスコはブロードウェイも近い繁華街で、むちゃくちゃに賑わっている。地下にくるまでにぎゅうぎゅう詰めの店内を回ったが、みな陽気におしゃべりをしながら、骨付きのステーキをガンガン食べていた。

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パンは「これ、シチリアパンですね」と、神楽坂の「カルネヤ」店主の高山君。

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名コーディネーターのコジマさんの説明を聞きつつ宴が始まった。

ところで、ここまで夜意外にも入った店はなぜかビールの品揃えがプアで、クアーズライトとかハイネケンとか、なんというかNY地元感の薄ものしかないので不満だった。しかしようやくサミュエル・アダムズに出会うことが出来た!(ただし瓶ですが)

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ということで乾杯。スマートフォン持参者が多く、いろいろメニューとかを調べている。ローミングで通話も簡単らしい。日本のインターネット黎明期の終わり頃を体験した僕には不思議な感覚(笑) でも、アメリカこそ道行く人々すべてがスマートフォンを使っているのでびっくりした。街のビルボードにもスマートフォンのCMが多々載っていたしね。

さてまず一皿目は一日目と同じクラブケーキ。アメリカ人て好きだなぁ、クラブケーキ。コジマさんが「昨日もクラブケーキだったんだけどなぁ」と言うと、ウェイターが自信満々に「うちのは味が違うよ!」と言ったらしい。

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たしかに、これは旨い! Uncle Jackのが美味しくなかった訳ではなくて、個性が違う。デル・フリスコのクラブケーキは素材重視派。カニの身肉のホコッとした旨さが実に強いのだ。

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ソースはアメリケーヌというよりも、カイエンヌペパーが入ってスパイシーな味。それがカニの風味を絶妙に引き立てる。美味ですなぁ、、、

お次はサラダ。いわゆるBLTですな。ドレッシングはアボカドのものが別添え。

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このベーコンがカリカリどころか、ガリガリにクリスピーなものだったので嬉しい。この日、隣にはハム・ソーセージの製造をしている西島さんがいらっしゃったのだが、「これってインジェクションしてますかね?」「うーん、してないかもね」という話をしていた。

インジェクションとは何かご存じだろうか。その前に旅の主催者・石神さんからのクイズ。

「日本の多くのベーコンは、1kgの豚肉から何キロとれるでしょう?」

はい、答えはだいたい1.2kgくらいかな。えっなんで増えてるの?と言う方はお買い求めのベーコンの裏面表示をみること。もしかして「大豆由来製品」のようなものが使われていないだろうか。これ、剣山の親分のような針(注射器)の山を豚肉に刺して、大豆タンパクなどの溶液をブジュゥッと注入して肉を増量するのだ。水分を吸った豚肉は増量され、美味しくないハム・ベーコンになるわけです。もちろん、まじめな作りのハムソーはインジェクションをしていないものもあるが、非常に少ない。味の差は天と地ほどにデカイ。

で、このBLTサラダのベーコンは、味が濃かったけど実に美味しかった。ばりばり砕いてロメインレタスに絡めて食べて、満足。

さてステーキを食べるなら、前菜はこんなもんで軽めにしないとダメ。だってボリュームがすごいんだもん!

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はい、一日目につづいてブラック&ブルーの焼き加減のステーキである!この時点でわかるように、デル・フリスコの味付けは胡椒が一杯振られている。素材重視の日本人からすると「あー かけ過ぎ」と思っちゃうけど、こういう味付けの差異が店ごとの魅力をだしているのだ、とも思う。

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ごらんのように表面はブラックで内部はブルー(生)だが、ここのは表面の焼きがやわらかく、内部も結構温度が入っていた。

しかも、「こっちがブラック&ブルーで、こっちがミディアムレアだ」とウェイターが分けてくれたんだけど、どうみてもどっちもブラック&ブルー(笑)

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ま、おれはこっちのほうが好きだからいいんだけどね。

ミディアムはこちら。

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で、付け合わせと共に盛りつけたらこんな感じです。

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で、肝心のお味だけれども、肉の状態としては熟成はそれほど深くない、ライトなドライエージングだ。これは僕だけかもしれないが、熟成香はブラック&ブルーのほうがより強く、ミディアムレアになると身肉が加熱によって膨満になって軟らかになり、相対的に香り成分を感じにくくなるような気がした。

「これぞ熟成!」というかんじではないが、美味しい。ああ、NYの人にとって、これがエージングか否かは余り関係なく、旨いニューヨークスタイルのステーキなんだということなんだろう、と思った。ちなみにこの店は付け合わせが実に美味しかった。マッシュルームはガーリックの香りが閉じ込められていたし、ふつうのオニオンソテーがとろけるように甘く、アスパラもほどよい火入れ。チェダーチーズのかかったポテトはくどかったが(笑)ジャガイモの本場のひとつだけあって美味しい。

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14きれほど食べて僕もギブアップ。みなも酒入りモードに突入(笑)

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デザートはでっかいチーズケーキ&バタークランチソース(頭がしびれそうに甘い)

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それにパンプティングのバーボンソースがけ。

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こうして、披露困憊の夜が終わり、バタンキューとあいなったのでした。

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本日はいよいよ視察最終日。これから朝飯に行ってきます。