2011年10月25日 from 出張

テリーの農場「ダカイン」を出てすぐ、ヤスさんが「ちょっといいところに寄っていきましょう」と車を停めた。そこはどうみても店舗という感じではない。後の車に乗っていた我々は「トイレ休憩?」と思ったくらいだ。

「いや実はね、ここはマカデミアナッツ・チョコレートの製造工場なんですよ。仲良くしてるんで、ちょっと分けてもらおうと思って。」

と入っていくと、いきなり工場のおかみさん的女性がキャーキャー騒ぎ出す。 聴いてると、「ちょっとヤス!いきなり来てどうしたのよ!連絡くれればいいのに!」的な感じ。すっげー歓待されてる。


「土産屋で買うチョコは、日持ちさせるためにコーティングしちゃってるでしょ?ここのはしてません。味本位で作ってるし、フレッシュだから美味しいですよ」

といって味見させてくれたそのチョコが、、、旨い! たしかに、チョコレートがほどよく柔らかく、香りも風味も土産物の者より一段階上だ。そして何より、中のマカデミアナッツが芳醇。カカオの脂肪とナッツの脂肪のダブルパンチで、思わず笑顔になってしまう。

普通は卸売しかしていないのに、ヤスさんの顔でちょこっとずつ分けてもらえることに。それも、なんとジップロックにハーフパウンドずつ小分け!(笑)

ここ、誰でも買えるわけじゃないと思うが、オススメ穴場です。
さて、車はまたもや幹線道路からちょっと登り、山の上へ。コナコーヒー園はどこも例外なく、幹線道路からひょいっと山を登り、「大丈夫かなぁ」とちょっと心配になったアタリにある。

「ブッダの鉢」ということだろうか、ブッダズ・カップというこの農園のマーク、やたらにトロピカルな坊さんだ。でも、ブッダというよりホテイ様?

この農場はサービス精神があって、入っていく道に布が綺麗に垂らされ、こちらにいくんだなというのがわかるようになっている。


若き農場主と、何匹ものわんちゃんお出迎え。



2010年度のコナコーヒー・カッピングコンテストで優勝したのがこの農場だ。なんだか本当にワイナリーに来たような感じで、きちきちと農場のことを説明してくれる。

農場は彼が指さしているはるか向こうの方まで農場があるということ。

手前と奥に見えるこんもりした黄緑色の背の高い樹がマカデミアナッツだそうだ。日よけに植えておくといいらしい。



この農場の豆も大きい、と村岡さんがつぶやく。



ウォッシングのマシンから何から、自前で持っている。日本におけるお茶農家と同じだな。収穫後にすぐ処理をしなければならないため、工場が必要になるわけだ。



乾燥スペースは風通しのいいところにあるのが通例。


「じゃあ、コーヒー飲んでいきなよ」と、豆を挽いてコーヒープレスで出してくれる。



農場の場所によってパッケージをかえているらしいが、僕が飲んで美味しいと思ったのはこれ。

うん、実に佳い!
まず、酸が強い。まるで広島の純米酒「竹鶴」を呑んでいるかのように心地よい酸味を感じる。それと香りだ。コナコーヒーは甘い香りがする、というのがヤスさんや村岡さんの説明だが、それに加えて何かスパイシーでコクのある香りを感じる。
迷わず1ポンド買い求めました。

この若き農場主、これからどんどん上へ上へと登っていくのではないだろうか、と思ったのである。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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