で、結論として昨年、D700以外に最もよく使ったカメラは、リコーGXRでありました。A12 50mmマクロユニットと28mmユニット、そしてすでに伝説のライカレンズユニット、これからズームも出るかもしれん。

2012年1月 4日 from カメラ

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で、新年早々だけどカメラの話の続き。昨年のメインマシンはニコンD700だったんだけど、セカンドマシンは何を使っていたか?はい、リコーのレンズユニット交換型カメラ、GXRです。上の写真みて「ん?」と思った人もいるかもしれないが、つい最近、ボディも追加になってもう一台。二台体制になっています。

じつは昨年中、「カメラ買いたいんだけど、どれがいいかな?」と言われた時に、最も薦めた率が高いのがこの機種なのだ。基本的にはニコンのデジタル一眼レフを薦めるのだけれども、女性からかなりの確率でいわれるのが「重いのはイヤ、だけど画質がいいのじゃないとヤダ」ということだ。その際にオリのPENシリーズのことを口に出してくる人には「うん、いいと思うよ」というのだけど、「画質」を気にする度合いが高い場合にはGXRを薦めている。PENシリーズはカメラシステムとしてのパッケージがいいのだけれども、純粋に画質といったらGXRに軍配が上がるからだ。

こんなマニアックなシステムを薦めて大丈夫?と思う人もいるだろうが、買った本人からは「買ってよかった!」という声ばかりなのだ。

プロカメラマンの阿部秀之先生に薦めていただき手に入れたこのGXR。レンズを交換するのではなく、レンズと撮像センサーが一体となったユニットごと交換するという、いまだにこのGXR以外にはないシステムだ。

当初、コンデジの撮像センサーを積んだズームレンズユニットS10と、50mmマクロレンズのA12ユニットだけだったのだが、S10は結局数回しか使わず、防湿庫の肥やしになっている。それもしょうがない、だってこのカメラでは、A12ユニットを使いたいから買ったのだ。

A12ユニットは、1230万画素のAPS-Cセンサーを積んでいる。コンデジに近いサイズだけども、中身は立派にデジタル一眼レフに乗っているようなセンサーだ。しかも、そのセンサーに最適化されたレンズと一体になっている。レンズ交換型カメラは、広角から望遠までさまざまな焦点距離のレンズに対応しなければならないわけだが、どの焦点距離でも同じ性能が出るわけじゃない。でも、このユニットは高性能なGRレンズとセンサーの関係がもっとも理想的な設計になっているわけだ。

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ただ、このA12ユニット、出たての頃はオートフォーカスの合う時間がかなり遅く、それが問題視された。これはたしか、採用したセンサーの仕様が当時公開されておらず、最適なAFロジックを組めなかったことが原因だったと聴いた。その問題はすでに解消されていて、ファームウェアのアップデートによってベツモノの速さになっている。

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A12 50mm 1/34秒 F4 -0.3 ISO800 ※帯広駅構内のハゲ天カウンターにて、豚丼。

このユニット、とにかく画が美しい。ボケも素直で、点光源はまん丸になる。開放値のF2.5にすると、信じられないほどぼけるが、それゆえぼけすぎて何が何だかわからなくなっちゃうことが多いので、個人的には料理を撮る場合はF3.5以降にするのがいいと思う。でも、上の豚丼写真は、手持ちで手ぶれ補正なしで、1/34秒という遅さだ。D700だったら絶対にぶれてしまっていると思う。

センサーサイズが大きいAPS-Cだから、高感度特性も悪くない。

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1/60秒 F2.8 ISO1250 ※沖縄県名護市 「活」にて

ISO1250あたりならノイズはほぼ気にならない。ISO2000だと若干、ディティールが怪しくなるけれども、それでも使えないことはない↓

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1/52秒 F3.5 ISO2000 ※牛込神楽坂 カルネヤにてDABのカツレツ

上記まではライティングをしていない写真だけども、純正ストロボのGF-2を使用してライティングをすると、かなり凄い写りになる。

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もう、いうことないという感じだ。

これに加えて一昨年は、待望の広角レンズが出た。A12の28mmユニットだ。

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これも誇らしげにGRレンズの銘が入っている。28mmという焦点距離は、リコーの大ヒットシリーズであるGR-Dが採用していることで、リコーが最も得意とするレンジだ。ただし、GR-Dはコンデジの小ささのセンサーであるのに対して、こちらは大きなAPS-Cサイズだ。画質についてはやはり大きく違う(ただし、GR-Dはコンデジゆえ、接写してのマクロができるなどの利点もある)。

このレンズが出たことで一気に、GXRの可能性は広がった!

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みよこの↑写真の左上の真円状の玉ボケ!

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1/217秒 F4 ISO400 ※北海道十勝清水にて十勝若牛ちゃん。

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1/32秒 D3.5 ISO248 ※新横浜 半蔵屋にて

ちなみに、GR-Dよりも寄れないけれども、このレンズでもこの辺↓までは寄れる。

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1/30秒 F3.5 ISO400 +0.7 ※東陽町 ジャンカレーにてメンチカツカレー大辛大盛り

ということで、この二本がそろったことで、広角と標準、マクロはバッチリという状況なった。

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贅沢を言えばきりがなくて、ホントは20~24mmのもっと広角側が欲しかったり、85~100mmの中望遠レンズも欲しいけれども、まあそこはなんとか足でカバーという感じであった。

しかしそこに昨年、新しい解が産まれた! それが、ライカレンズユニットだ。

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あの名機ライカ用のレンズが着くユニットなのだが、これも上の画像をみてわかるように、APS-C型のセンサーが入っている。だから、本来のレンズの焦点距離×1.5倍になる。でも、中望遠のユニットが現在ないGXRには逆にありがたい。つまり、50mmレンズを着ければ75mmになるわけだ。

とはいえ、、、ライカのレンズは高い!ので、僕は一本も持っておりません~ かつ、これからも買うことはないでしょう。従って、このユニットは僕には意味がない!

、、、と思っていた。実物みるまでは。

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みちゃったのよ、、、すさまじいマニアックなのを。

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リコーの、GXRの開発に携わってきたF森さん。先日、飯を食いましょうというお誘いをいただき、銀座でお会いした際に見せてくださったのがこれだ。レンズの名前、忘れてしまった!けど、とにかくマニアックなやつだとのこと。しかもこれで確か120mmくらいになるんじゃなかったかな、、、

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しかもオールドレンズにありがちな周辺画像の乱れや周辺光量落ちが、補正によって全く問題ないように描写される。だからいまこのユニットは品薄。それに、タイの洪水騒動によって部品が入らなくなり、現在待ちの行列ができてしまっている。

まあ、このユニットを手に入れるかどうかはわからない。実はこの日、まだ世に出てないある製品プロトタイプを見せてもらったのだけど、それがなかなかのものだった。強いていえばA12ユニット二本の溝を埋めるもの、というかんじ。これは期待できます。

ところで、あまりGXRの記事でも取り上げられない、いいオプション品がある。

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そう、純正の本革製ソフトケースだ。これ、二つの部分から成り立っていて、基本的にはカメラボディの底部にある三脚穴にネジを入れて装着する、ストラップ付きのケース↓と、

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露出している部分を上からくるむカバー↓から成っている。

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GXRはあまりに特殊なカメラなので、合うケースやバッグがなかなかない。だから、こんな風にレンズユニットごとガードできるカバーは重宝する。

しかもこのカバーをつけたまま、レンズユニットの着脱ができるのだ!

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この状態から、下のようにレンズユニットを外す際には、着脱側をパタンと折れるようになっている。

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こうやって外すわけだ! 至極便利。

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食い倒れ日記で、GXRで撮影した写真かどうかをみるには、写真の縦横比率をみるといい。D700は3:2で、縦画像は縦に長くなる。GXRは4:3なので、縦にした際に少し短くなる。このエントリで、GXRで撮影した写真はほとんどが4:3で撮られているから、見直してもらえればわかると思う。

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近いうちに、昨年の今頃に沖縄の西表島に行った際に、GXRと二つのユニットだけを持っていった際のエントリを書こうと思う。そのとき僕は本気でビックリしたのだ。この二つだけで、紀行文の仕事やろうと思えばできるじゃん!と。

ということで、ひとまず年末から書いてきたカメラ編、これにて一段落。