村上農場より、熟成によって糖度18度に達したインカのめざめ来る。インカのめざめの熟成は、他のジャガイモ品種とは違う甘さが顕現するのだ!

2013年7月16日 from 食材

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このブログでも何回か紹介した、北海道は上士幌町の村上農場。20種類以上のジャガイモ(馬鈴薯)品種を栽培し、それをほぼ全て自分の冷蔵倉庫で熟成管理する。日々いもを食べて官能評価し、美味しくなった瞬間に販売をかける。だから、計画的に購買をするようなスーパーとかには一切出さない。ジャガイモの都合に合わせてくれる取引先しか相手にしない。

■本日発売のdancyu5月号は買うべしですよ! 熟成じゃがいもの記事と、短角牛の記事二遍を書いております。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/04/dancyu5_1.html

■豆よ、おまえは美しい!
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けれどもその圧倒的な美味しさに惹かれるレストランやこだわりスーパー続出。北海道でジャガイモの品種開発をしていた偉い先生も「あ、それは村上農場に訊いて」と回してしまうほどの存在になってきた。

その村上農場から、すごい「インカのめざめ」が。昨年の10月あたりに収穫しているはずだから、もうすでに10ヶ月ちかく熟成されている。それがなんと糖度18度にもなったという。

ちなみに、ジャガイモは多くの品種が、冷蔵しておくと糖度が上がる。かみ砕いて説明すると、冷蔵するとジャガイモは「凍らないぞ!」と、自分のなかに貯えてあるデンプンを糖に変換する。糖分や塩分は凍りにくいからだ。だから、甘くなる。

ただし、インカのめざめは他の品種とは違った甘みを呈するといわれている。それは、通常のジャガイモが4倍体であるのに対し、インカのめざめは2倍体品種であるからだ。4倍体と2倍体の違いはWikiペディアでもみてもらうとして、ペルーなどジャガイモが数百種もあると言われる高地で好まれているのは風味の濃い2倍体品種である。

そのおかげでインカのめざめは栽培がしにくく、小玉傾向があり、なおかつ休眠が短くすぐに芽が出てしまうという欠点を持っているのだが、それを補ってあまりある美味しさを獲得している。

そして、通常の4倍体品種の糖化は還元糖主体の、いわば老化する甘さに近いと言われているのに対し、インカのめざめはショ糖が生成される、極めて積極性のある糖化をすると言うことを僕は教わった。

もちろん、どんな農場でも甘いインカを作ることができるというわけではない。村上農場のインカのめざめは、試行錯誤の末に実現しているようだ。北海道のジャガイモ貯蔵はむかしながらの雪下貯蔵、つまり雪室で貯蔵するというのが多かったのだが、これだと長期に熟成しても14度程度にしかならなかったとのこと。村上農場では通常の熟成+冷蔵庫熟成の二段階を経ているそうだ。それによって「追熟」がなったとのこと。

このインカのめざめ、フライパンで蒸し焼きにしてそのまま食べてみたが、すごい味だ。僕は以前、1年半の熟成インカのめざめを食べているので、糖度に関しては驚かないが、この村上農場のインカは風味がとても濃い。栗っぽさは後退し、サツマイモのようなネットリ感が生まれているが、まぎれもなく馬鈴薯であるインカのめざめの美味しさだ。

どうせすぐになくなっちゃうとは思うけど、興味のある人は買ってみたらいいと思う。そこらへんのインカのめざめとは大違いの甘さと風味に驚くことうけあい。

■村上農場 長期熟成インカのめざめ販売ページ
http://murakamifarm.blog55.fc2.com/blog-entry-30.html