村上農場から送られてきた絶品バジルでつくったジェノベーゼ。スペンサーシリーズを思い出すね。

2014年8月 4日 from 食材

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北海道は十勝の村上農場。熟成ジャガイモが有名だけど、最近は豆やトウモロコシなどいろんな作物を世に届けている。その村上農場の智華さんがFacebook上でバジル販売の連絡を出していた。500gからの販売で、価格は業務用か自家消費用で変わるので問い合わせを。

■村上農場
http://imomame.jp/

で、届いてビックリした!というのは、写真に撮る余裕がなかったんだけど、茎が全然入って無くて、すべて上の葉を三枚摘んだ状態のもので500gだったのだ!すげー贅沢!普通バジルを大量に買うと、長い茎をバサッと入れてあって、香りの薄くなったデカイ葉が一杯入ってたりする。けどそうじゃなくて、お茶を摘む際の一芯三葉のような感じで、香りが一番強い部分だけを摘んでくれているのである。だから、バジルの茎をとる下処理がいらない!これって普通なの?俺こんなの初めてなんだけど、、、

このバジルがまた薫る香る。チャチャッとボウルで水に通しただけで、ボウルの水がバジル香水に変化しちゃうのだ。

で、いつものごとくのジェノベーゼ。大津屋商店で買った生カシューナッツと松の実は前日中によーく洗っておく。ふつう、松の実だけでつくるけど、僕はカシューナッツ入れた方が好き。しかし輸入ナッツは色んな人が手で触ってるから、洗う方がいいよ!ビックリするくらいに汚れた水になるから、、、そんで、干し直し。これをフードプロセッサーに入れてそのまんま冷蔵庫にいれてキンキンに冷やしとく。

バジル到着。すぐ水に通して埃だけとって、サラダスピナーを回して脱水。キンキンに冷えた松の実とカシューナッツ、そしておまけに入れてくれた村上農場のニンニクをフードプロセッサーで回してペースト状になるまで回す(なかなかならない)。

さて、高校時代にはまりにはまった小説が、異色ハードボイルドといわれるスペンサーシリーズ。ロバート・B・パーカーによる、探偵スペンサーが様々な事件を解決していく物語なんだけど、謎解きミステリーというよりは、スペンサーのライフスタイルを魅力的に書き出すことのほうに力点が置かれている。

そのスペンサーは料理好きとして描かれていて、恋人のスーザンと一緒の時ももっぱら彼が料理をするのが常である。そんなスペンサーシリーズの、どれだったか忘れたが、ジェノベーゼを造るシーンが出てくるのだ。しかしこれがバジリコのペストソースであるということは、一読しただけではまったくわからない。というのは、訳者の菊地光さんは名訳で知られているんだけど、料理に関しては造詣が深くなかったのだろう、ものすごい直訳なのだ!

例えばバジルのことを「メボウキ」と書いている。これはバジルの和名なのでまあ間違いではないのだが、当時でもバジルとかバジリコという言葉は認知されていたと思うんだけどね。あと、当時ぼくが理解できなかったのが、「松の実をひとつかみ、メボウキをいれてクイジナートを回した」とあるのだ。

クイジナートってなに!?当時辞書を引いても出てこなかったのだが、今ならわかる。業務用フードプロセッサー&ミキサーで有名なクイジナート社の製品のことだ。でもそんなんわからんよ(笑)だから、きっとこれはすり鉢のことだろうなと思っていた。マジで。ともあれ、初めて自分でジェノベーゼを造ったときに、このクイジナートの謎が解けたのである。

脇道にそれました。ナッツとニンニクがペースト状になったら、水を切ったバジルの葉を詰め込んで、ゆるめるためにオリーブオイルを注ぐ。塩も強めに入れる。すぐ食べきるならここにパルミジャーノのような硬質チーズを入れて一緒に回すが、今回は保存用に造ったので、チーズ抜き。これで混ぜる。混ぜすぎると摩擦熱でバジルの色が悪くなるけど、とにかく混ぜる。ジャム瓶5本分くらいになる。

夜、作りたてにチーズも混ぜて食べる。パスタは断然、リングィーネだ。スペンサーもたしかそうしていた。生活クラブ生協から送られてきた、とても美味しいベーコンを炒め、茹で上がったリングィーネをその油で和えながらジェノベーゼをたっぷり絡ませる。ゆで汁で延ばしながら絡ませる。そんでいただきました。

正直、ジェノベーゼだけだと単調な味なので、僕はいつもトマトソースも造っておいて、ジェノベーゼのパスタにポモドーロという贅沢な味わい方をする。もちろんその場合はどちらかの塩分を弱めにする。けど、今日はバジルの味を識りたいのでジェノベーゼだけで。少し醤油を垂らすとウマイというのは、昔ヨガで一緒してたエリコさんに教わった。

旨かった!智華さんごちそうさま。とってもいいバジルでしたよ!