ありし日の土佐の風景。土佐あかうしを美味しく食べさせる現地の店の筆頭「スルラクセ」山本シェフの精進やお見事!

2015年4月27日 from 出張

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ちょっと前の話になってしまうんだけど、ブログに書いてる余裕がなくここまできちゃった。高知県で土佐あかうしの仕事をしているわけだけれども、ちょっと前にこの土佐あかうしについて大きなニュースが飛び込んできた。それは「統計とってみたら前年度より増えた!」ということなのである。これは大ニュース!

実は、日本の肉牛は減少している。生産農家がすごい勢いで辞めているからというのが一番大きな理由だ。それも、空前の相場高で儲かってるはずの繁殖農家(子牛を生産している農家さん)たちが「いい頃合いだ、今年の儲けを退職金がわりにして、辞めよう」ということで、引き継ぐ人もなく辞めていくということが多いのだ。

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すみません。ちょっとずるいけど、あかうし名人の近藤さんご夫婦の写真。ほんと、こんな感じです。

その中でもグンと少なくなっているのが、地方特定品種と呼ばれる、黒毛和牛以外の和牛品種。具体的にいえば僕も所有している短角和種に、褐毛和種の熊本系と高知系、そして山口県の無角和種だ。いま都市部ではステーキハウスがブームで、やれ赤身だの熟成肉だのと踊っているが、その多くが輸入肉である。実際には国内で飼養されている地方特定品種は年々減っており、そろそろヤバイ状況。

そんな中で!

土佐あかうし、正式には褐毛和種高知系だけは2013年から2014年にかけて「増加」したのである!
何頭増えたかというと、4頭......

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なんだ、たったの4頭かというなかれ。実は牛を増やすのは大変なこと。通常、牛は一頭ずつ子牛を産むので、子牛を増やすには母牛が増えなければならない。そのためには、今年例えばメスが生まれたとする。いま相場はバカ高いので、半年後に子牛として市場に出荷すると儲かる!けど、それをグッと我慢して保留し、種付けができるまで待つ。種付けできるくらいに成熟したら人工授精。うまく妊娠したらそこから十月十日。

つまり、3年かかってようやく一頭増えるわけです。

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でも、高知で4頭増えたということは、水面下で保留する農家が出てきているということを示している。おそらく来年は一気に50頭、もしかすると100頭くらい増えるはずだ。

これは本当に快挙なのである!

ただし、いま高知県の統計にはこの数字は出ていない。いろいろあって、正式には違う数字が発表されている。けれども土佐あかうしは、他の地方特定品種を尻目に、増えている!

土佐あかうしと生産者さん

高知で土佐あかうしが成功した理由はいくつかあると思うが、そのうちの一つは高知県内での利用が盛んだということだろう。面白いことに、高知県民はあかうしの価値がよくわかっていないようで、「え、アレって美味しいの?」「子供の頃、近所におったけど、、、」というぼんやりした反応が多い。けれども、黒毛和牛と比べて愛らしいその見た目が嫌いだという人はいない。

産地全体があかうし好きだということは、おそらく農家の意欲にもいい影響を及ぼしていると思う。それに加えて、幻に近い頭数(少ない!)と、黒毛に比べ脂が小ザシで、しかもあっさりして美味しいというところが料理人に受けていることもある。

ということで、久しぶりに高知で美味しくあかうしを食べられるお店紹介。

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写真は、高知市内の繁華街である帯屋町のアーケード内にある「ス・ルラクセ」の山本シェフによるもの。もちろん土佐あかうし三昧である。予約をきちんとすれば、あかうしコースを食べさせてくれるお薦め店だ。

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この店、最初に訪れたときは火入れにちょっと文句をつけてしまったことがある。その次に行った際には、シェフは肉焼き技術をマスターしていて、文句つけどころがなくなってしまった!

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運がよければこんな、あかうしのモツも食べられるかもしれない。

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あかうしのモツは健康的なものが多く、美味しい!

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ほれこの通りの絶妙な火入れで、あかうしの香りを味わせてくれる。

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高知であかうしたべるなら「ス・ルラクセ」。 山本シェフ、また行くからね~!