僕の短角牛「さくら」のお肉の格付けはB2でした。飼料用米を1割混ぜた新しい餌の味の感想ともろもろ。

2015年10月18日 from 出張,日本の畜産を考える

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ということで、僕の牛が販売される二戸のイベントに行ってきました。

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周辺の15市町村から旨いものが集まるイベント、本日もやっているので、ぜひ覗いてみて下さい。

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短角牛販売はなんと午前中で売り切ってしまう勢いほどだそうですので、急いだ方がいいです。というのも、、、安いんですよ。肉牛の枝肉をお肉屋さんが買う価格、つまり卸値そのままで小売単価を乗せないで販売するので、超お得!僕はこの↓モモ肉スライス1kgを3500円で買いました。

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この日、東京からずっとご一緒させていただいたのが高品質な納豆と豆腐のメーカーである「太子食品」の工藤社長さん。

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肩ロースをご購入いただいた!ありがとうございました!

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ご覧のように、漆原さんのところで新しく導入されている餌米の1割添加は、脂肪分の白さが強く際立つものだ。さて味はどんなものか! ブラブラして後、農家の皆さんと会うため「短角亭」へ移動。

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山長ミート社長にして、牛舎を建てて繁殖・肥育一貫経営を始めた槻木さん。

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肥育農家の漆原さん。

そして、山長ミートの槻木専務、二戸市の短角担当・杉澤君と、二戸の短角の未来について熱く語る!

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ところで、僕の牛の結果。

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格付けはB2でした。Bかよ!と思ったけど、枝重はなんと525kg!

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でかく育ってくれて佳かった、、、

ただし、来月から枝単価がぐっと値上がりする予定のところ、タイミング的に据え置きで1350円で仕切られているので、価格的には少々厳しい。諸費用さしひいて738,311円となりました。

子牛時代の世話代がざっくり15万円、肥育期の世話代が405000円、ということで55万5千円。差額183,000円。この牛のために2回来ているので旅費を8万円と考えると、10万円が僕に入ったことになる。さらに、今年の春に生まれていま子牛として育ったメスを販売するので、おそらく20数万円の売上げが発生する。ということで、なかなかよい結果になりました。

さて、心置きなく短角亭にて、漆原さんのお肉を堪能!

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ここ二戸の短角亭は、古い読者ならおなじみの、短角牛を愛する山長ミートが出している焼肉店なのだけれども、ほぼ漆原さんの短角の肉が出てくる(どうしても足りないとき、他産地のが出ることもあるが)。

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特徴としては、貴重な短角のホルモンを食べることができることだ。写真はハラミ。ミノ、ホルモン、ギアラ、レバーなどを食べられる。実にフレッシュで美味しい!

「そういえばさ、最近、ボローニャソーセージとローストビーフにチャレンジしてるんだョ」

と槻木専務が出してくれたのがこれだ。

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ボローニャは豚肉も混ぜてあるが、いい仕上がり。ローストビーフは「すこし火を入れすぎて、ハムっぽくなってしまった!」と専務がおっしゃっていたが、なかなかの味。短角らしさが残っていた。もう一歩で商品化ですね専務!

そして厚切りのステーキ。

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この写真を見て、「あれ?ほんとに漆原短角?」と思う人は鋭い。そう、脂がやっぱりこれまでの短角と比べても白い!これが米を1割与えた影響だろう。

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そのお味だが、、、

なるほど! 脂が実に淡麗で透き通るような、融点の低いものになっている。以前の飼料設計とはかなり脂の味が違って透き通るようなかんじになっている。赤身部分には特に変化がないのだが、脂が上述のとおりなので、全体的な味わいがあっさりしたものになった。

これは好みが分かれるだろうな~! ぼくは、この味もいいと思うが、前のバーンっとくるうま味に溢れた漆原短角が好きだ。

「俺も同意見なのサ!」というのが槻木専務。

「ん、わがった、じゃあ次からは米を半分に減らす!」と漆原さん。

こうやって、農家と料理人・流通業者が顔をつきあわせて餌の、いや牛の味の設計を決める。これこそがあるべき姿だと思う。

実はすでにもう一頭が漆原さんのところにいるので、来年はその改良版が出てくる。いまから愉しみである。

そんな二戸での一時でした。