熊本の街道沿いにたたずむ「ベルン」で、いまなら放牧したくまもとあか牛の肉を食べられる!それも、なんと先代から引き継いだ元タレを使った極上のレバニラ炒め!

2012年12月21日 from

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■撮影:OLYMPUS OM-D ZD35mmマクロレンズ FLー50R使用

来年の3月某日熊本にて、放牧したくまもとあか牛を食べる会を開催します。もちろん僕が絡むから、条件をできるだけ合わせた他の牛との食べ比べ。なんと凄いことに、通常肥育(配合飼料ベース)のあか牛と、黒毛和牛との食べ比べです。関心のある方(ゴメン、料理関係者限定)、情報を待ってて下さい。ちなみに平日の午後、無料招待です。

福岡出張の合間に熊本に飛んでそのうち合わせ。その昼ご飯をドコで食べようかということになり、アテンドの人がにんまりして言うのだ。

「やまけんさん、放牧あか牛の内臓食べられますよ」

え!マジ?

実は食べ比べを行う放牧あか牛の肉のうち内臓も引き取られたようで、それがとあるお店に行っているとのこと。それは行くっきゃ無いでしょう!と向かったのが、実になんというか懐かしい感じのお店。

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「ベルン」。なんでやねん、という名前だけども、よくあるケースです(笑)

ドライブイン形式の良心的な定食屋さん。先代から引き継いだ味が売りのお店だそうです。

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おお、あるある、放牧牛のレバーを使ったレバニラ!

それ以外もなんか、なごやかな店構えとはうらはらに尖ってないか!?イベリコ豚のショウガ焼き定食なんて、こういうロケーションで出るの!?

と驚きつつ、放牧牛の内臓を使った料理を全部出して!とお願いする。

んで、出てきた料理に腰を抜かすほどビックリ!ここ、旨いよ、、、

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放牧あか牛のオックステールの煮込み。甘辛い醤油味だが、風味付けはみりんではなく熊本県の調味酒である「赤酒」だ。餅米を醸した赤酒のこっくりした甘みによって、白飯がすっげー欲しいまろい甘辛みになって美味しい!

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テール肉もよく煮込まれております。ほろほろ。

「カレーあるんですけど、食べます?」

あっ カレーはもちろん、あるときは絶対に食べるんですよ!しかもこれ、あか牛のアキレス腱を煮込んだカレーだそうである。

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うむ旨い!アキレス腱がとろぬとろぬに煮込まれて、ねっちゃりした食感が最高。このカレー、先代のレシピにて作り続けているものだそうで、ベルンの看板になっているそうだ。うんたしかに、よくあるカレーのようで奥深いルーです。

「放牧あか牛のタンありますけど、食べます?」

もちろん、食べるでしょ!

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実は自分で牛を持っていたりするときに喜ばしいのが、このタンである。USのタンとは比べものにならない美味しさ。ベルンではタンカルビを焼いてくれる。しかもその後に、、、

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「贅沢タン」の焼き物が、、、脂ののった部位を厚切りにして焼いてくれる。タンに脂が噛んだものは、本当に甘く感じられ、タン特有のきゅきゅっとした歯触りにとろける食感がプラスされる。まさしく絶品だ。

さあそしてメインである!

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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお(←久しぶりに出た!)

このテリテリと脂で輝くさま、濃厚なタレのからんだ蠱惑的な眺めよ!

レバニラ炒めなんて、せっかくの放牧牛レバーを食べるのに向いてないんじゃ無いか、と思う人も居るだろうが、この店の先代が遺したレシピのタレの味は、レバーの美味しさをグンと引き出す。そのレバーの味と香りからは、まったくストレスを受けていなかったであろう健全な内臓肉の滋味が、さわやかさが伝わってくる。

実を言うと僕はあまり正体のわからないレバーを食べない。食べたくない。肝臓は毒消しというけれども、毒が沢山流れ込んできた内臓だからね。日本の肉牛は通常、ストレスを抱えて生きているものなんだということは、イヤと言うほどわかってる。だから、飼い方のわかる人が出荷した牛の内臓でなければ食べたくない。

しかしこれは一年中放牧したあか牛のレバーである!その味のソフトさ、さっぱり感は素晴らしい!これぞ、食べるべきレバーだ。いや、感動しました。実はこの時僕の向かいには生産者本人が居たんだけど、彼はずーっと無表情で口に運び、最後に一言。

「いやー こんなに旨いレバー食ったこと無いっす」

よかった、、、

「実はこのレバーと野菜は、50℃洗いをしています。そうしたら、味が全然違うんですよ!」

え、マジ? 何の本読んだの?と尋ねたら、持ってきた本はタカコナカムラ先生のものでした(笑) タカコさん、あなたの伝えた技術が熊本でお役に立ってますゾ。

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ご主人がかぶっておられるベレー帽は先代から引き継いだもの。

熊本市の田んぼの横にひょこっと建っている、町の定食屋さん。しかし、中身は実に味わい深いお店。レバーや内臓肉は在庫限りなので、お店に一報入れて駆けつけるべし。ごちそうさまでした!