全部のっけの豪快和風パスタが好きだ! 千駄ヶ谷「SPAGO」

2004年4月14日 from 首都圏

 原宿と千駄ヶ谷の間に、気の利いたパスタ専門店がある。それも先日のステーキChacoのエントリにも紹介した、このblogのサーバを運用していただいているプロコムジャパンの方々に教えてもらった店だ。
 ちなみに原宿なんてところは大嫌いだ。あんな荒削りな欲望むき出しの若衆が行き交う街は本当に疲れる。表参道でもなんとなく居心地が悪いのに、、、従って原宿近辺の旨い店というのは僕のデータベースには入っていない。しかし、原宿駅から千駄ヶ谷方面に歩いていくと、アパレル関係の小さな事務所群に混じって、よさげな店がちらほらと出てくる。イタリアンでは著名な日高シェフの「マンジャペッシェ」もこの辺だ(以前、ディナーをいただいたことがあるが残念ながら感動しなかった。)。そのマンジャペッシェのすぐ近くの交差点からほど近くに、パスタ「SPAGO」がある。


↑暗くてよくわからないな、、、

 SPAGOと言えば、はやりのカリフォルニア・キュイジーヌの店の屋号でもあるが、この店はそれとは関係がないらしい。純粋なパスタ屋さんである。日本においては、イタリアンというよりスパゲッティ屋というのが先に独自の進化をしてきた経緯がある。「壁の穴」しかり。あの系統の和風パスタが先にメジャーになってきたわけだが、麺類好きの日本人にはそれがぴたりとはまっていたのだろう。最近blogによくコメントをくださるkurakiさんのWebもパスタ専門。やはり日本人は麺好きなのだ。そして、このspagoも実に和風の旨いパスタを食わせてくれる店なのだ。

 店内には原宿風オシャレ系な人たちばかりというわけではなく、その辺の普段着のおっちゃんが一人でぶらっと入ってきたりするくらいなので、僕も緊張しないで済む。厨房にはきっちりコック帽をかぶった壮年板前という感じのコックさん。

 厨房をのぞき込むと、スパゲッティ屋で通すだけあって、麺を茹でる大きな釜が鎮座している。見ていると、この釜で麺を茹で、竹のザルで湯切りをしている。蕎麦屋じゃないか!という感じで、和風の風情だ。

 さてこの店には味ベースがいくつかある。ガーリックかジンジャーの和風、トマトベース、アーリオ・オーリオなどだが、僕はもっぱらジンジャーである。一番最初に来た時はジンジャー風味の大盛りと、トマトソース系の普通盛りを二杯食べたが、、、旨いなぁと思ったのは和風スパなのだ。
 じゃあ何が旨いかというと、、、なんでもてんこ盛りの「アサリとシメジ・シイタケ・ナットウ・キムチ」(1500円)というスーパーメニューだ!

 僕はこれが大好きなのであった、、、なんといっても、のってくるモノがスゴイ。ボンゴレベースのジンジャーソースにキノコ類まではわかるが、それに納豆とキムチである。破壊的な味つけではないか。これに100円増しで大盛りにするわけだ。そうすると、こうなる。

 写真だと量がわからないな、、、なんというか、縦に盛り上がったスパゲッティである。麺がゆだると皿に盛り、その上からソースを回しがけ、具を盛るという典型的な和風スタイルだ。この方法で行く場合、麺の湯をきっちりと切ってソースを麺が吸い込めるようにし、かつソースの味付けを若干濃いめにしておかないと頼りない味になる。果たしてこの店の味付けは濃い。以前、同行したうちの同僚女性が「なんでこんなにしょっぱいのぉ?」とのたまったが、味は限りなく濃い方がいいというのが僕の好みである。

 さて何も考えず、納豆とキムチをかき混ぜまくって食べる。旨い!味の統一感など全く無視!複雑怪異な味世界が拡がるわけだが、これが旨いのダ。白ワインを加えたソースで熱を通されたシイタケとブナシメジはとろっとした感触で食いでがある。麺も特注業務用なのか、アルデンテがかなり長いこと持続する1.8ミリ程度のスパゲッティだ。当たり前だがゆで加減も最高。柔らかくむっちりとしたアルデンテだ。

 あとはひたすらむさぼり食べるだけである。卓上にある唐辛子油、粉チーズ、乾燥バジル・パセリをぶち込み、ひたすら喰らう。原宿の果てで、これまた欲望むき出しにしてスパと格闘する自分は、もしかしたらあの雑踏ですれ違う若者と同等かもしれないなぁと思うのであった。