白瓜の粕漬けを仕込んだ!

2005年8月23日 from 食材


先日、福岡にて講演をし、宮崎さんと田中さんに連れて行ってもらった炉端居酒屋「磯貝」の店頭で、なぜか野菜を並べて売っているおっちゃんが居た。何気なく覗いてみたら、関東ではとっくに出回らなくなってしまった白瓜(しろうり)があるではないか!

「おおおっ おっちゃんこれ白瓜だよね?」

「そうよ、買わんとね?負けとくよ」

それは買わずには居られない、3本買い求めてしまった。150円と書いてあったのになぜか100円。嬉しいねぇ。僕はこうして生モノを旅先で買い求めることが多いので、荷物がどんどん膨れあがってしまう。
さて白瓜に反応したのにはワケがある。一昨年、食い倒れ日記の読者さんからいただいた白瓜の粕漬け、つまり奈良漬けがあまりに旨かったので、レシピを教えてもらい、自分でもチャレンジしようとしたのだ。しかし時すでに遅く、白瓜の旬を過ぎてしまっていた。泣く泣く、代替案として、ハヤトウリを使って漬けたのだ。結果、非常に美味しい粕漬けが出来たのだが、しかしやはり白瓜を使った典雅な歯触りの奈良漬けを、自分の手で漬けてみたいとずっと期していたのだ。にも関わらず、関東で出回っている時期に忙しくしていて、買いそびれていた訳である。

さて白瓜は関西ではよく漬け物で食べられているが、関東ではあまり見かけることがないだろう。おそらくウリ科植物の中でも最も淡泊で個性の少ない味と香りである。これと比べれば、キュウリはなんと個性的な味を持つウリかと思ってしまう。しかし、その個性のなさが、漬け物素材にした際に限りなくプラスに転じるのだ。漬け込み素材の味と香りを吸収し、染まり、そして絶妙なシャクシャクとした歯触りは十二分に残り、発揮されるのだ。
さてこの白瓜を縦半分に割り、種の部分をスプーンで掻き出す。この穴の空いた部分に塩を満たし、強めに水分を抜きながら塩漬けをする。

塩漬け後、水分を抜くために日陰で干す。ベランダで2昼夜干してみたが、塩の分量が少なすぎたか、脱水が中途半端になってしまった感あり。まあ、なんとかなるだろう。

酒粕は昨年と同じく、島根県の銘酒「扶桑鶴」の純米大吟醸の粕である。これで漬け込むと、B級の素材もピカピカのA級に昇華すること間違いなしなのである!

これに砂糖と塩を混ぜ込み、タッパーを床にしてウリと交互に塗り重ねていく。

本業の漬物屋さんはこんなに簡易な方法ではなく、何回も床を替えて漬け替え漬け替えし、脱水と発酵を進めていくのだ。その叡智と手間はとても及ばないので、家庭でできる簡易版として漬け込んだ。

さて、あとは味見をするタイミングを待つだけだ、、、もしこのエントリの続きがしばらくして登場したらよし、しなかったら、失敗したと思っていただいたい。成功したら絶品になるはずなのだが!