速報: 地鶏創作料理 「日本橋ぼんぼり」 京橋店はまたオモシロイ店になっていた!

2005年9月 2日 from 首都圏

地下鉄茅場町駅から歩いて5分の蛎殻町にある「日本橋ぼんぼり」については、このブログで掲載して以来、かなりの人が「ほんとに美味しかった!」というような感想を送ってくれた店だ。僕もお気に入りの一店となっている。このぼんぼり、数ヶ月前に中目黒に新店を出し、そして先日京橋店がオープンした。京橋は銀座と日本橋の間に位置する、最近熱いスポットである。

「今度京橋店にも来てくださいよ!」

と小林さんに言われていたのだが、僕の事務所から近所にも関わらず、仕事で死にそうなので行けない日が続いていた。そんなところに、週刊アスキーの連載で、タブレットPCを購入し、それを使ってブログをアップするという記事を書くことになった。

「おっと それならぼんぼりでお願いしようかなぁ」

ということで、オーナーの小林さんに連絡。ご快諾いただいて京橋店デビューをしたのである!

■日本橋ぼんぼり 京橋店
〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-9
03-5524-1338
浅草線 宝町駅 または 銀座線 京橋駅より徒歩1分

鍛冶橋通りからひょいっと横に入ったところにあるこの店、レトロ調の外観がカッコイイ!さすが、某飲食店グループのデザイナーを長年やってきた小林さん。センス最高である。しまったことに外観写真は撮影しなかった。今度ゆっくり行ったときに再撮影したい。

1Fはカウンターのみだが、外からすぐ入れるレトロ大衆居酒屋チックに作ってあって楽しい。

「4Fまであって、通常のテーブル席や個室もあるんですけど、『どうしても1Fで飲みたい』っていうお客さんが多いんですよ!」

と小林さんが言うように、1Fのカウンターが買いだ。

コの字型でなんとか詰めれば5名までは座れるそうだ。

「いやどうもどうも、やまけんさんに何を食べてもらおうかずっと考えてましたよ~」

と小林さんがメニューを見せてくれる。

京橋店は、地鶏炭火焼きや親子丼、チキン南蛮などのグランドメニューを除くと、日本橋店とは若干違うメニュー構成だ。オーナーの小林さんは、ぼんぼりのそれぞれの店のシェフの裁量を大事にする人らしい。

「この店の料理長も北イタリア料理の修業をしてたヤツなんですよ!」

なんと!それでか、、、おすすめメニューをみると、どうみても「居酒屋じゃないじゃん!」というものが多いのだ!

白レバーのテリーヌ リンゴのモスタルダ添え 880円
地鶏皮のファゴッティーノ カレー風味 580円
うずらのディアボラ レバーソース 980円
北海道産の仔羊のロースト タプナードソース 990円

などなど

どれをみても1000円以下で出しているところがスバラシイではないか。もちろん、もっとお安くつまめる
居酒屋メニューの方がメインなのだけれども、料理長の得意技・意向を大事にしている姿勢が品書きから伝わってくるではないか!

「あと、やまけんさんのお好きな宮崎焼酎『かんろ』もほぼ取り揃えてます!」

本当だ、関東ではあまり手に入らないかんろシリーズがずらりと並んでいる!こういう気遣いはとてもうれしいモノだ。やはり北イタリア料理の料理長がいるとはいえ、基本は宮崎風地鶏料理の居酒屋。それに合わせるのは芋焼酎が基本だ。そしてそれは可能な限り、鹿児島産ではなく宮崎焼酎が望ましいに決まっているのである!

さて、週アスの美人編集者である岩永さんと、凄腕カメラマンである八木澤さん登場。
撮影のセッティングを開始していると、小粋なアミューズが出てきた!

「トマトとパンを練ったものにナスのスープを流しています。」



日本橋店の料理長であるヤマちゃんこと山下君はいつも、野菜をポタージュにしたものを出すのだけれども、この京橋店のアミューズもなかなかしゃれているな、と思いながら口に運ぶ。

このオレンジ色のねっとりしたムース状の物体、パンとトマトを練ったモノといわれたけれども相当に深い味わいがする!ナスの冷製ポタージュスープのナスの香りとクリームの旨味が相乗して、トマト&パンペーストに深みを与えている!

いつも書くことだけど、前菜がうまい店は相当に期待がもてると言っていい。

「おおおおおおおおおおお いいじゃない イイじゃない! 楽しみだなぁ!」

そして出てきたのが、白レバーのテリーヌにリンゴのモスタルダを添えたものだ。モスタルダはイタリア北部でよく食べられている、果実や野菜を甘酸っぱく煮詰めたものだ。この写真手前のジャムのようなものがモスタルダだ。

奥にあるレバーペーストを載せたパンも旨かったが、びっくりしたのが白レバーのテリーヌだ!

さっくり焼いたパイ皮でこのテリーヌを挟んである。これにモスタルダをたっぷりと塗って口に運ぶ。

「おおおおおおおおお
          なんだよ フォアグラみたいじゃないかああ!」

そう、フォアグラのような甘くてねっとりした旨みが口の中に拡がる。そこにモスタルダの果実香と甘さが合わさって、ここはフレンチだろう?という感じになってしまった!

厨房からイカつくごつい料理長が現れ、「テリーヌには、白レバーに食感を補う意味でリード・ヴォーも入れてあるんですよ。」と言う。なんと!リード・ヴォー入りのテリーヌかよ!コレはマジで絶妙。1000円以下でこんなんが食べられるのはちょっと想定外である!

「じゃあコレ、鶏の皮をきんちゃく袋にして、モツとか詰めてカリっと揚げた料理ですよ!」



カリっと揚がったファゴッティーノを切開すると、中から肝や胸肉などが覗く。

カレー風味のマッシュポテトと一緒に食べる。皮がカリッとしているうちに食べてしまわないと皮が美味しくないので、おしゃべりしないですぐさま食べた方がいい料理だ。これが580円。気が利いていて、安いね。

お次の地頭鶏のキノコみそソテーは、もも肉を開いてキノコみそを詰めてソテーし、温野菜とともに白レバーソースをかけて供される。

ふつうの鶏ソテーじゃん、と思っていたら、キノコみその風味がなんとも絶妙で、複雑な味わいを醸している。しかも白レバーソースと周りの温野菜との相性が佳い。ここの料理長、かなりいい感じである。

「やまけんさん、次がうちのお奨め!コレは絶対に合うと思うんだけど、炭火焼き地鶏のカルボナーラなんですよ!」

おお!
それはオモシロイ!
カルボナーラは、もともとパンチェッタかベーコンに黒こしょうをチラしたクリーミーなソースが、炭焼き(カルボ)に例えられたものだ。だから、宮崎風の炭火焼きは、まさしくカルボナーラなのだ!
運ばれてきたカルボナーラには、食べ応えのある太麺リングィーネが使われており、地鶏焼きもごろごろと入っていた!

味はまさしく濃厚!
黄身とクリームが絡んだ濃い味付けである。それに炭火焼き地鶏の燻煙香がプワンと漂い、もしかするとベーコンなどよりもカルボナーラの具材としてはいいかも、と思うほどだった!

「いやぁ 絶品じゃないですかぁ!小林さん!!」

「そうですか?よかったぁ、、、でもこれからもっとお勧めのヤツ出しますよ!これ、食ってもらいたかったんだぁ、、、」

それが「地鶏旨油ご飯」500円である。
きっと、地鶏から染み出る脂を固めてとっておき、それで炒めご飯を作った、鶏の香りのするチャーハンだろうと思っていた。

全然違った!

出てきたのはご飯に万能ネギが散らされた丼と、ミョウガの千切りとキュウリの漬け物、そしてきゅっと茶巾絞りされたようなお饅頭状の物体だ。

よくみるとこの茶巾状の物体こそが鶏の脂である!

「えええええええ そういう料理なの????」

「そうなんですよ、その脂にいろいろ味を加えてあります。そいつを熱いご飯に載せて、かき混ぜちゃってください!その上からこの煮切り醤油を垂らして、掻っ込んでください!」

いわれるがままに丼に脂まんじゅうを落とし、かき混ぜる。融点の低い脂玉が溶け出し、ご飯の一粒一粒をコーティングしていく。

絡んだところで煮切り醤油を垂らしてみる。

できたのはヌラヌラ照りテリと輝く混ぜご飯である。

「うーん、、、 趣旨はオモシロイな、でもなんとなく食味がそそられないなぁ、、、」

と思いながら一口運んでみた。

ん?

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

これは旨い!

またぼんぼりにしてやられた!
こいつは想像を遙かに超えた旨い料理である!

油脂というのは人間に直接的な快楽をあたえる物質だから、美味しいと思いやすいものではある。けれどもこの地鶏旨油ごはんは、実に旨い。鶏の旨みが封じ込められているのか、油だけなのに、淡泊なご飯
がいきなり豊饒な旨みを湛えたスペシャルな料理に変化したのである!煮切り醤油にもなにか秘密があると思うが、、、

いやこれは脱帽である。

今回は撮影時間が押していたのでこれで終了。でも必ずやすぐに再訪して、料理長の腕をとくと楽しんでみたいと思うのであった!