またもや史上空前のオフ会!京橋カストールでジビエ三種を愉しむ!

2006年3月30日 from オフ会

本レポートが遅くなったが、食い倒れ日記史上最も高額にして豪華なオフ会となった「ジビエ3種を楽しむ会 in 京橋カストール」が2月17日に開催された!ジビエの季節は過ぎてしまったが、ここにその記録を残しておきたい!

そもそもこのオフ会をやろうという経緯はここ↓をご覧くださいませ。

■久々のオフ会 「ジビエを楽しむ会inカストール@京橋」 を開催することにしました!
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2006/01/in_6.html

何と言ってもジビエを三種いただくという、メインディッシュが3つも来るぞという凄まじいスペックの会だったのである。藤野シェフの気合の入りようといったら、周りのスタッフが「今回はすごいですよー」というくらいのものだったという。

■オフ会用特別コースのメニュー

食前酒
鴨の燻製でりんごのコンポートを巻いた天然わさび風味
フォアグラとマンゴーのカラメリーゼ ポルトソース
白ワイン
熟成イノシシのソテー ソース等は未定
赤ワイン
新潟産野鴨のロースト ソース サルミ
デザート

このように、フォアグラマンゴー、イノシシ、そして野鴨という煌めく3連星のまさにジェットストリームアタックというべき布陣だったのである!

オフ会参加人数は39名!
当初、20人以上だったら開催しようという話をしていて、それも埋まるだろうかと少し不安だったことを告白する。なにせ参加費用が2万円(税込み)だったので、これまでのオフ会のようにはいかないだろうなと思っていたのだ。

ところが蓋を開けてみてビックリ、あれよあれよという間に30人を突破し、最終的に45人程度の参加者が集まったのだ!またもや抽選。本当にビックリしました。

さて当日早めにカストールに入ると、藤野シェフもニコニコしながら迎えてくださった。

「今回の準備は大変でしたよぉ~ 鴨の確保から下処理、イノシシの仕上げといい、ものすごい規模です。スタッフにとってはスゴイ経験になりますね。これを通過したら新生カストールの経験値があがりますよ!」

その横で、僕はせっかくの料理を綺麗に写したいので、ストロボセットを組み立てる。僕の趣味も高じすぎて、プロが使うものよりは安いが、スタンドとアンブレラ、外部ストロボを買ってしまったのである。景色や人物写真ではなく、素材と料理を如何に美味しそうに写すかにしか関心のない、全く持ってニッチなカメラ小僧になってしまったのであった。


さて人が入り始めた。今回は1人参加と、2人での参加に綺麗に分かれた。2万円もするから友達を呼ぶのは厳しいなという人と、2万円という高い値段だから、思い切って友人とという2派があったのだと思う。それにしてもいつも思うのだがなぜか美人率が高い。みな、オフ会というのに初めて参加する人が多く、期待と不安の入り交じった顔で席に着く。この硬い表情が、すぐさま軟らかくなっていくのである。

全員が席に着いたところで藤野ご夫妻に登場していただく。万雷の拍手で迎えられたシェフが、コースの説明をじっくりとしてくださった。

もうすでに参加者のみんなはコースをとことん予習済みだったわけだが、一つ一つをじっくり、素材がどこで獲れたものなのか、その下処理、火の入れ方などをシェフの言葉で聴けるのは凄まじく贅沢な話である!

ちなみに2万円という価格には食前のシャンパンに、ワイン3種も含まれている。そう聞くと多くの人が「あ、それなら全然高くないよ」というのだが、本当にそうだと思う。

このシャンパンも佳いモノ!タップリ注いでくれて、普通これで2000円するだろう!

「オフ会の時はいつも『それじゃあみんな食べるぜ~!』とやるんだけど、今日はフレンチだから(笑) 皆さん最後まで食べ尽くしましょう~! 乾杯!」


こうして饗宴は始まったのだ!

■カストール特製パン

カストールという店は、料理が旨いのは当然だが、粉モノが凄まじく美味い。藤野シェフの美学なんだろうが、ケーキブティックも併設しているのはダテではない。自家製パンは本当に無茶苦茶に美味いのである。

藤野シェフはもともとガトーショコラで有名な方だ。NHKの料理関連の番組にしか出演しない彼だが、そのNHKからガトーショコラの作り方を解説したDVDがでているらしい。未だ観たことがないが、お菓子好きな人なら参考になると思う。なにせここのさっくりと典雅な味わいのガトーは最高なのだ。

さてパンを突いていると、のっけから秀逸な前菜が出てきた!

■鴨の燻製でりんごのコンポートを巻いた天然わさび風味

これ、中指くらいのサイズで本当に小さな美しい前菜なんだけど、正直言ってこれを20本くらい食べたい!と思うような素晴らしい前菜なのである!口に入れると、燻煙香をほんのりとまとった鴨肉の旨味を感じたその瞬間に、中からりんご(おうりん)のコンポートの甘すぎず風味のしっかりと残ったのが溶出してくる。そこへサクッとした食感を感じたら、それが天然わさびでツンと貴婦人に軽くいなされたような(って、そんなの体験したことないけどね)感じなのだ!いやこれは秀逸。

さて、次のフォアグラの一皿に合わせたワインが注がれる。

■白ワイン(銘柄とか忘れました。ビオです。)

ワインのセレクトは、カストールが京橋に移動してから入ったソムリエの庭野君によるものだ。

「僕はビオワインが好きなんですけど、今日はバイオダイナミックという、ビオワインの中でも非常にグレードの高い農法・製法で造られたものを飲んで頂こうと思います。とても風味が強く濃く、フォアグラの油分に合う物を選びました」

なんとバイオダイナミック!
バイオダイナミックとは、ヨーロッパで広く採られている有機農業の体系で、僕が学生時代にキャンパスに畑を拓いていた時に行っていた農法だ。通常の有機農法に加え、天然のハーブを促進剤として利用したり、天体の運行に合わせ作業をするという難易度の高い農法だが、バイオダイナミックで栽培された農産物の美味しさは他を寄せ付けない、と思う。果たしてこのワイン、無茶苦茶濃厚。通常の白ワインとは豊饒さが段違いだった。

そしてその白に合わせるのがこの、最初からガツンとくるフォアグラの逸品だ!

■フォアグラとマンゴーのカラメリーゼ ポルトソース

これぞ最近の藤野シェフの最高傑作だと思う。もともとはマンゴーを沢山いただいた時にまかないで造ってみたのがベースとなっているということだが、マンゴーを脂でソテーしカラメリゼして甘み・旨味を最高度に活性化させたものにフォアグラを合わせているのである。そのフォアグラのボリュームがスゴイ。

これ、完全にメインの一品である。いつもこの分厚さではないと思うのでご注意を。これは特別ですわな。本当にオフ会に参加した人、ラッキーである。

参加者から感嘆の声というか悶絶の声が挙がる!

「お、美味しい!!!!」

「このフォアグラとマンゴー、口で溶けちゃいます!」

それはそうだろう。とろけるマンゴー、とろけるフォアグラに、煮詰めたポルトソースの酸味と香りがまとわれ、地平線のような旨味世界が拡がるのだ。このメニューは通年とはいかないが、かなりの時期で食べられるので、ぜひ味わって頂きたい!

さて次は、いろいろと個人的に物議を醸し出した(笑)イノシシだ!

■熟成イノシシのソテーと煮込みの饗宴

これ、イノシシ肉が2片あるのがおわかりだろう。上に載せられたのがローストで、下が煮込みである。ローストにしたのは岡山県高梁市の友人・徳田君が猟師さんに直接注文してくれたものだ。そして煮込みは藤野シェフのお兄さんがしとめ、1ヶ月の間、赤ワインと香草でマリネした物だ。

観よ、このぎらつく脂の美味そうなてかりを!

脂だけではなく肉質もみっしりときめ細かいのがわかる。実に最高だ!
肉を噛み締めると、ローストのほうは油分の旨味が下に拡がった後、イノシシ特有の獣香がいい感じでブワンと拡がる。肉を食うというダイナミズムは、獣香なしではありえない!しかしさすが藤野シェフ、臭みとは全く違う「香り」に昇華されているのだ。煮込みのほうは脂が落ちて、しっくりとした緻密な肉の細胞の食感をギシッと噛み締める喜びが内包されている!いや 実に贅沢な楽しみだ。これ、人数を決めて予約しないと出せない皿である。

このイノシシ肉にはなんとモリーユ茸を合わせて、クリームソースパスタを添えた一皿になっている。

このモリーユの風味がイノシシの香りと相まって、実に複雑な風味を醸し出していたのだ。いや、もう脱帽。ちなみにここでも白ワインを合わせていたのだが、撮影を忘れてしまった。

さて、メインである!

■新潟産野鴨のロースト ソース サルミ

もう言うことはない、カストール冬の名物・野ガモ。新潟の山中で網で捕獲した鴨をきっちりと長期間熟成し、肉の旨味が最高度になったのをいただくのである。

鴨の血がたっぷりと混ぜ込まれた濃厚なソースサルミは、これまでいただいた中でベストな濃度・風味だった!胸肉のトロトロ感とソースサルミの絶妙な濃さが交わると、永遠に口の中で噛み締めていたくなってしまう。本当に美味い!

ちなみにシェフにお願いしていたのが、鴨の一皿には内臓とモモ肉は必ずつけて欲しいと言うことだ。下処理に無茶苦茶時間がかかるが、これにカストールはキッチリ対応してくれた。一人分が野鴨半身という超贅沢な!ふつうはそれでメイン終了なのに、ジビエ3皿の最後にそのボリュームが来るのである!もう圧倒的の一言だ。

パイ生地のようなビスケットのような上にもられた鴨のレバーは、実に綺麗にほろ苦く、天然の命をいただいてるぜ感がわき起こる味だった。パリッと焼かれたモモ肉は、弾力と旨味が強く、骨までバリバリと言ってしまいたくなる味だったのだ。

「お、美味しいとしか言えません!」

「こんなにボリュームがあって、食べきれないと思ったのに食べちゃいます!」

と、参加者はみな半狂乱である。

その頃、厨房ではデセール(デザート)の準備が進んでいた。もう厨房は必死のフル稼働状態であった!

■デセール チョコレート菓子三種

カストールのデセールは、本当に素晴らしい。この日はジビエでガツンと味覚の拡がった舌に刺激を与えるため、濃厚なチョコレートを3種の味でということだった。
実は僕はチョコレートがそれほど得意ではない。だからうーむと思ったのだが、でもシェフが自信を持って出して頂けるのだから大丈夫だろう、とお願いすることにしたのだ。

その結果は、素晴らしいモノだった!

このチョコレートミルフィーユのサクサク感とクリームの適度な濃厚さにも参ったが、実は一番素晴らしかったのはアイスクリームなのだ。

「ハーブのタイムで風味を付けました」

というのだ!
タイムのあの香りがチョコレートに?
実はこれが本当に素晴らしいのだ。タイムの少しスッとする、そして舌の横側で感じるようなあの独特な香りがチョコの拡がる旨味を一本の針のように凝縮する。実に実に秀逸なデセールだった!
女性陣も大満足、男性陣でも残した人はほとんど居ない。

以上、全品が終了した! 19時から初めて、22時を廻っている。あっという間に感じたが、実に充実した時間が飛ぶようにすぎていったのであった!

当初席に着いた時の参加者の硬さは全く面影もない!各テーブルで、初めてあった人と一緒に興奮しながら料理を味わい、楽しんでいる人達ばかりがそこにいた。それを演出したのは、カストールの料理とサービスである!

「厨房のみんな、ぜひ出てきて!」

とシェフをサポートするスタッフに出てきてもらう。

一人一人に自己紹介をしてもらう。

「僕はパンを担当してます」

「僕は藤野シェフのサポートをしています」

「私はデセールを、、、」

という自己紹介をするたび、参加者全員の大きな拍手が!

この瞬間を味わってもらって本当によかったと思う。いや、素晴らしい時間であった!

「いやぁ、本当に大変でしたよ。でもおかげさまでカストールにとって素晴らしい体験になりました。これでどんなお客さまがいらっしゃってもびくともしないオペレーションができました」

と藤野シェフがおっしゃる。実はこの数日後にウエディングが控えているらしい。京橋カストールとウエディングの試みは素晴らしいと思う。落ちついて美しい調度に、参加者の誰もが美味しくいただけるフレンチが並ぶ。考えただけでも素敵だ。レストランウエディングを考えている方はカストールをぜひ候補に入れて欲しい。

参加者みんながシェフご夫妻と記念撮影。本当にお疲れ様でした。そして、参加してくださった皆さん本
当にありがとう!集まるのかどうか、ヒヤヒヤしてました。来てくれて嬉しかったです!

ちなみにカストールではいよいよこの季節の最高に美味いモノ、ホワイトアスパラのコースがでてくる!あのブラマンジェが食べられると思うといまから腹が減るのだ。

藤野シェフ、本当にありがとうございました!

■カストール
http://www.2castor.com/index.html

東京都中央区京橋2丁目7-14
BUREX京橋101 〒104-0031

TEL03-3535-5035 レストラン
TEL03-3535-5015 ケーキブティック

ウエディングプランのFlashページが出来ていた!
関心のある人はこちらを。
http://www.2castor.com/public/flash_web/party%20wedding/index.html