宮崎県西都市マンゴー部会の方々が上京された!

2006年4月14日 from 農家との対話

昨年、宮崎県を襲った台風で、西都市のマンゴー農家のハウスが倒壊、莫大な被害を出した一件を覚えておられるだろうか。このブログで義援金を募ったところ63万円集まり、部会に寄付させていただいた。その後、部会長の島地さんから御礼の連絡をいただいていたのだが、それから初の出荷期を迎えて、東京市場の見学に来る際に事務所に寄ってくださったのだ。

左から島地部会長、尾崎さん、楯さん、そして宮崎経済連東京事務所の永友さんだ。

「本当にあの時はありがとうございました、見も知らぬ方々から、義援金をいただきまして、部会員一同本当に驚き、ありがたく思いました。おかげさまで部会から離農者は一人も出ていません。

 ハウスは10アールあたり1500万円程度の費用がかかります。大体ひとり40アールくらいの面積がありますので損害が多大です。今回、補助がつくことになりましたが、それでも個人負担分だけで1千万円程度はかかるみこみです。また、気温が低い時期にはボイラーを炊きますが、原油価格の高騰で42円→69円程度になり、生産費用がかなり上昇しました。宮崎県全体のマンゴー生産量は増加しましたが、うちの部会では約1億円の減収となります。

 しかし、マンゴーの樹の生命力はすごいもので、ハウス倒壊し冠水してしまったにも関わらず、一本もダメになった樹はありませんでした。倒壊後、部会員や関係者が共同で対応したのがよかったと思います。義援金の存在もそうですが、私たち一人一人だけでは絶対に立ち直れませんでした。

 まだまだ問題が立ちふさがっておりますが、負けないで頑張って農業を続けます。本当にありがとうございました。」

ちなみに現在、宮崎マンゴーはかなりの高値で取引されている。写真に写っているのは3Lという規格で、化粧箱に入れて販売されるものだ。これが2玉でなんと1万5千円、しかもそれは卸売価格だ

「ただ、こうした高値で売れるものは全体の2割です。それ以外のものは安くなりますし、売り方を考えないといけません」

消費者からすれば、自宅用には小さいモノや色・形の悪いモノなどをもう少し値頃に買いたいところだ。ただ、そうなると生産費用がまかなえないくらいのレベルに落ちてしまうこともあるという。まだまだ宮崎マンゴーは高嶺の花、である。ただ、それくらいの方がいいのかもしれないが。


これはマンゴーゼリーだが、輸入の同等のものよりもマンゴー含有率が高いそうだ。

「通常は5%程度果肉を使えば上等らしいですが、これは20%以上マンゴーを使っています。自信作ですよ」

ということだ。

今回、僕はこの3Lのマンゴー2玉とゼリーをお土産にいただいてしまった。
正直いって僕だけいただくのは申し訳ない。
本当は義援金を出して下さった39名のみなさんと共有したいところだ。
部会長さんも言う。

「義援金をいただいた皆さんに本当はマンゴーでお返ししたい。でも、本当に申し訳ないのですがいまそれは難しい状況です。せめて御礼の言葉をお伝えしたい」

ということだった。義援金にご協力頂いた皆様、申し訳ない、代表して私がいただくことにします。きちんと撮影してブログに載せます。

ご一同、百貨店の売り場を廻るということで事務所を後にされた。

昨今、農業ビジネスが熱い、みたいな感じで投資意欲や参入意欲が高まっているようだ。新聞記事も新しい動きがある、ということをいろいろと記事化している。けれども、農業で経営を成り立たせていくのはそんなに簡単なことではない。株式会社が参入したところで、ノウハウと販路を持っていない限り成功は難しい。

でも、農業は尊い営みだ。
日本の農業を取り巻く状況は厳しさを増しており、矛盾も多く、困難の時代が続くだろう。それにも負けずに立ち向かう人達を少しでも応援したいと思う。