上原先生のご冥福を祈ります

2006年5月 4日 from 日常つれづれ

日本酒業界では知らぬもののいない怪物、上原浩先生がお亡くなりになられた。
まさに巨星といえる存在だった上原先生が亡くなったことで、今後の日本酒業界ははっきりと後進の方々にゆだねられたと言うことになる。

上原先生は、あの尾瀬あきらさんの名作「夏子の酒」でも、酒造りを指導する国税局の上原久先生というキャラクタで登場する人だ。僕もお酒の会で2回ほどそのお姿を見かけたことがある。ちなみに「井のなか」の工藤ちゃんの大先生が上原先生だ。彼が五穀家日本橋店で純米酒居酒屋の道を歩み始めた時、上原先生に店の顧問になっていただいたという。居酒屋が上原先生を「顧問」として迎えたのは他にあまりないことだったろう。

4334031781純米酒を極める
上原 浩
光文社 2002-12-17

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4334032265カラー版 極上の純米酒ガイド
上原 浩
光文社 2003-12-16

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農業と酒の世界は極めて密接だ。日本酒は米と水が造り出す芸術的な飲み物であり、そして醗酵が重要なプロセスであるということも共通している。何より酒造りを行う集団やその長である杜氏は、歴史的にそのほとんどが農家だった。その酒造りを、ある高みからよい方向へと指導してきた上原先生だったのである。伝説は色々と聞くが、もう少しその実物に触れさせていただければよかったと悔やむ。

ご冥福を祈ります。

ちなみにいま、4章を書き終わります。明日明後日で5章を書いて、ひとまず終了の予定。