岩手県二戸市再訪。「つぶっこまんま」の雑穀食を愉しみながらビッグプロジェクトの成就を願う。

2007年7月17日 from 出張

過日、短角牛と雑穀の町である二戸市を再訪した。
前日の大雨で増量した川がごうごうと音を立てて流れている。

「朝、行きますね」

と女将の安藤さんに伝えていたこともあって、この地域の伝統食を用意してくれていた。

メインディッシュはこの凍み大根の煮物だ。

凍み大根(切り干し大根と同じ)には様々なバリエーションがあるが、東北のそれはかなりおおぶりなカッティングである。切り干し大根の盛んな宮崎県の農家の軒先では、縦に細くカンナで削ったものを干していたが、こちらでは大ぶりな大根を紐を通してつるしておくのをよくみかける。この煮物に使われているのも輪切りした大根を半分に切っただけの無造作な形だ。これを冬に寒干しすることで、夜には凍り、昼には解凍され、ということを繰り返すうちに完璧に脱水されるのだ。

なかなかこっくりとした出汁でに含まれていたので、何を使っているのかを尋ねる、意外や意外、昆布出汁に煮干し出汁を合わせているとのこと。鰹出汁では弱く感じるのだそうだ。やはり岩手県の食は、ダイナミックである。

それにしても
この店のキラーアプリはなんといってもこの雑穀おにぎり。キビやヒエが一緒に炊き込まれたおにぎりの中に、味噌漬け大根が入っていて、これがなんとも堪まらないのだ。

それと、これも美味しいのが雑穀冷麺。

麺に雑穀が練り込まれているのでこういう色味なのだ。

この麺を暖かいスープでラーメンにしたのも旨いが、ひんやりした喉越しと、トロロやモロヘイヤなどのネバネバが気持ちよい冷麺をお勧めしたい。

いつものごとく、岩手編で水先案内を務めてくれるS藤さんがやってきて、「これ、食べてよ!」とくれたのが、田野畑村の生産者グループが造っているみそだれ。

にんにくと唐辛子がグワッと効いて、しょっぱくて、パワフルで旨い!

「うちはこれを冷や奴につかって愉しんでます」

という通りにやってみたら実に最高であった。うーん ニンニク味噌は色々観て試してみたけど、これはかなり上位に入りますな。

さて新幹線の時間が迫っているが、どうも気になる店があった。「ビートバーガー」という、あまりにきいたことのない独立系丸出しのハンバーガーショップらしきものが、駅前の交差点に面してあるのだ。営業しているのかどうかわからない風だったが、店内には電気が点いている。どうも気になるので、電車まで20分しか残ってなかったけど、入ってみた。

ファーストフードというより、お母さんが立ち働くお洒落な(?)定食屋という感じ。
それにしてもメニューを見るとあまりの安さに驚く。

ちなみにお母さんに聴いたところ、ビートバーガーというのはツナを使ったバーガーだそうだ。
面白いがハンバーガーも食いたいので、ビートハンバーガーという、ハンバーグとツナ双方が入っているものをオーダー。4分ほどで出てきたのがこれだ。


レタスたっぷりと、ハンバーグパティの下に厚切りハムが挟まれている。その下にツナが挟まれているのである。

ハンバーグの照り焼きソースの甘さでよくわからないが、ツナとハムのコンビは悪くない。
既製品を挟み込んだファーストフードだが、二戸で出会ったニッチなビートバーガー、悪くないなと思った。

店を出て急いで駅に向かうが、駅前のロータリーの入り口にどうしても気になる果物屋がある。

旬のさくらんぼがどわっと置いてある。
一番いい等級のものが3500円というので実家に送る。
ああ、あと5分で電車がきちゃうよ、と急いで出ようとしたときに、その軒先にぶら下がっているものを発見してしまった!

これがただしき凍み大根の姿である。先ほどの輪切りの半割よりさらにでかい。完全に脱水しているのでかさかさと軽く風に揺れている。ああ、岩手は佳いなあ、、、

雨の翌日だからか、帰り道、新幹線の車窓からの景色はいつもよりくっきり青空が気持ちよかった。

二戸で実現するかもしれないビッグプロジェクトが成就するように祈りながら、帰京の途に着いたのだった。