これから本番 万願寺唐辛子が宮津より届く

2007年7月19日 from 食材


「万願寺とうがらしが穫れてきたんで、もし東京にいらっしゃるなら送りますよ」
と、京都府宮津のお酢メーカ、飯尾醸造の5代目見習いである彰浩君から嬉しい連絡があった。宮津の旨いものをなんやかやと送ってくれるので恐縮だ。先日発刊された別冊ダンチュウの発酵食品特集にも、大々的に飯尾醸造の造りの風景が掲載されているので、読んだ方も沢山いるだろう。飯尾醸造は原料の米作りから自ら棚田を借り受け、蔵人達が耕している希有な醸造業者である。だから折々の陸の恵みを自前で調達している。

「この万願寺も、うちの祖母が丹精こめて栽培しているものです」
という。
ちなみに飯尾家にお邪魔すると、まるで料理屋か?と思うばかりの旨いもんがずらっと並ぶのだが、僕が一番旨いと思ったのは、焼き豆腐とニンジンの煮付けと、この万願寺をこっくりと炊いたものだ。これさえあれば何杯でもメシが食える。

今回はレシピも入れてくれたので(あまりに僕が旨い旨いと食い過ぎたからか!)、自宅にてチャレンジである。

ところで万願寺は、余程の大当たりがない限り、際だった辛みがない唐辛子である。辛みのない唐辛子とピーマンの違いは何か?実はあまり違いはない。このヘタ部写真をみても、形状はほぼピーマンと同じである。

種の部分もほとんど同じ。

というより、ピーマンのそもそもの成り立ちは、「世界に数ある唐辛子の中の、辛みのない品種群のひとつのまとまりをピーマンという」というものだからだ。ちなみに唐辛子は中南米の熱帯原産といわれるナス科植物だ。

日本の唐辛子は、土質のせいだろうとおもうけど、やたらと直線的に辛い。韓国の唐辛子は味に丸みと奥行きがあり、辛みが脳の後ろのほうにヅーンと残る感じだが、日本の唐辛子の辛さはグワッと額あたりに火が点いて燃え上がる感じだ。そしてハラペーニョやハバネロといった殺人的辛さの南米系唐辛子は、舌と口腔内の全体が燃え上がり、100メートル走のスプリント力が長時間持続するような恐ろしい体験を味わせてくれる。
しかし万願寺は、同じ唐辛子とは思えない穏やかな旨さを味わせてくれるのである。
早速今晩、炊いてみよう。飯尾君、ありがたくいただきます。