素晴らしき米を作る生産者団体・福島県のジェイラップが出した産直料理居酒屋・「福島うまいもん 吟銀 GIN‐GIN」にて、えごま豚の焼きしゃぶしゃぶを味わう。

2009年7月13日 from 食材,首都圏

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こういう仕事をしていると色んなところからお米を送っていただくのだけれども、銘柄によって、産地によってやはり大きく違いがある。比較的温暖地である九州や四国のものでも、山間部の寒暖差がある場所で栽培された米は旨かったりするし、東北部のお米どころといわれるところでも、「あれれっ?」とおもうような品質だったりすることもある。

そんな中で僕が好きな米のひとつが福島県にある生産者団体ジェイラップのミルキークイーンだ。過去ログにその辺のことは書いてあるのでお読みいただきたい。

■2006年03月22日 日本最高峰の米、だと俺は思う。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2006/03/jrap.html

そのジェイラップの栽培管理担当者であられる小林さんと久しぶりにメールを交わしたら、「有楽町にアンテナレストランを出したので、もしご都合がよければ来てください。米は勿論、エゴマ豚もありますので、、、」とおっしゃる。これは是非と思って、有楽町にはせ参じた。

■福島うまいもん 吟銀 GIN‐GIN
http://r.gnavi.co.jp/e582700/

ジェイラップは稲作を主体とする農業生産法人だが、その他にもキュウリやモモなどを出荷している。契約農家がたくさん居るので、その人達が作る農産物全般を扱っているわけだが、エゴマを飼料に混ぜ込んだ豚も生産しており、「えごま豚」と名付けて販売しているわけだ。

店内に入ると、業界では有名人のジェイラップ代表の伊藤さんがいた!

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ちなみにこの手前にある鉄板のような、書道の硯のようなものが、炭の粉を固めた炭板で、強烈な遠赤外線効果をもつ調理板なのだそうだ。ごくごく弱い火でしゃぶしゃぶのようにエゴマ豚を焼いて食べる。これがこの店の名物・焼きしゃぶだ。

焼きしゃぶはポン酢などではなく、この店オリジナルの味噌やタレで食べる。

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写真真ん中の味噌のようなものは、実はジェイラップの米で酒を造っている醸造所から譲り受けた吟醸の酒粕を練り込んだ味噌ダレ。こいつが絶品で、なににつけても超・上質な味になる。

「でもねぇ、そんなに量がないんですよ。隣りの粉はね、うちで作ったニンニクをフリーズドライにした粉。これがね、香りも強さも失われて無くて、すごい味なんだよ!」

ちょっと舐めてみるとブワッとニンニクのパワーが口中に充満する!

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エゴマ豚は以前、試食させてもらったことがあるが、正直、それほど群を抜いた味ではないと評価した。脂がちょっとくどく感じて、餌の改良が必須だと思っていたのだが、今回それはすべて払拭されていた!

「そうなんですよ、餌変えたんですよ。まあためしてみてください」

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炭板の上に肉を置く。超弱火であり、ジューという音がほとんどしない。が、肉にはジクジクと熱がとおっていく。本当に不思議な火入れだ。

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焼き上がった肉にはさきの吟醸酒粕ダレがまぶされている。口に入れると、この吟醸ダレの華やかな香りがプワンと拡がり、その間隙をついてエゴマ豚の脂がシュッとほとばしる。ん!お言葉の通り、たしかに油分の質が変わっている!以前食べたのと違い、とっても軽やか。絹目のような舌触りの肉質に、透明感のある油質。これはかなりいい豚に仕上がって居るんじゃないですかねぇ!

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福島の、「名も無き和牛」も美味しく焼けた。

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銀座バードランドの和田さん特製のレバーペーストにインスパイアされて作ったレバーペースト。

「和田さんのにはおよびもつかないけどさぁ!」

といいながら、これもまた旨い。

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この辺の野菜もほぼすべてジェイラップ契約農家のものだ。

会津地鶏も、これで焼くとジューシー。

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エゴマ豚のハムーソーセージ。

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〆は、炭板で表面を焼いたおにぎりでお茶漬け。

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この頃にはもう店は満杯。やっぱり旨いものはみなわかるんだなぁ、焼きしゃぶをさっと食べて、そしてすすっと帰って行く。飯どころとして認知されているのである。

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しかし、まだこれで終わりにはならないのである。メニューに「牛すじカレー」てのを見つけちゃったからね。

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ううっ この牛すじカレー、旨い!トロトロに煮込んだ牛すじに、シャクッとした感触の残ったタマネギがいい。ランチタイムにはこのカレー目当てに周りのサラリーマンがどどっと来るそうだ。

産地の生産者団体が店を東京に出すという流れはよくあるが、飲食店として成功できるのはごく少ない。それは、産地が自分の思いだけをぶつけようとして、実際の立地や周辺条件に合わないことが多いからだ。しかし、この「福島うまいもん 吟銀 GIN‐GIN」は、お米をメインとする生産者団体であるところをググッと押さえて「とにかく福島の旨いものを」ということを前面に出したところに好感を持てる。でてくるものが全てきちんと高水準で、しかも説明はされないけれども、ほぼ福島産。

福島の農産物のイメージってあまりないかもしれないが、東北部の入り口で、寒暖差の大きな産地であり、農産物はほぼ全面的に美味しくなる条件が揃っている。そしてジェイラップは、その中でも最も米が旨い部類にはいる生産者団体である。ジェイラップの米のファンは、まずこの店にも詣でてみることをお薦めしたい。もしジェイラップの米を食べていなくても、お薦めできる店である。