うちの草太郎が無事、お肉になりました。岩手県岩泉町の畠山利勝さん、育ててくれてありがとうございました!

2012年7月30日 from 出張,日本の畜産を考える,食材

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いま、新幹線車中。本日は京都日帰り撮影の旅です。しかも貴重な文化財の中を撮影することになるので、若干緊張気味。

さて、僕が所有している短角和牛お母牛「ひつじぐも」の第3子である「草太郎」が、無事出荷されました。

草太郎は、生まれる前から「次の牛は、岩泉町で育てる!」ということを決めていた牛。粗飼料と呼ばれる、草中心の飼料を8割給餌する「プレミアム短角牛」の規格で育てることができる畠山利勝さんのところにお預けしようと考えていたのだ。

うれしいことにぼくのひつじぐもは体格のよい子を産む、極めてよい血統で、この草太郎も幼年の頃からいい体型だといわれていた。

畠山さんのところでは、餌にデントコーンサイレージ(餌用トウモロコシを、実も葉も茎もすべて裁断し、古漬けのように発酵させた草飼料)と小麦ふすまを与えて育てる。短角牛はデントコーンサイレージでもぐんぐんカラダを大きくしてくれる牛なので、安心していた。

しかし!一ヶ月前に岩泉を訪れたとき、畠山さんが浮かない顔で「あんまり育ちがよくないんですよ、、、」という。え、マジ?

実際に会ってみると、たしかに出荷を控えた肥育牛としてはスリム。普通、出荷前の去勢牛の腹は横にドドーンと張り出している。草太郎の場合、体高は十分なのだけれども、その肉の付き方がまだまだという感じだったのだ。そこで急遽、もう一ヶ月出荷を遅らせることにしたのだ。

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「なんかねぇ、草ちゃんはわらが好きなのよねぇ。わらよりコーン食べなさいっていうんだけど、あまり好きじゃないのか、食べないのよ。」

と畠山さんの奥さんが自分の子供のことのように言う。そうか、おまえはわら好きなんだな。わらは胃袋を刺激するが、たくさん食べてもカロリーは低いので太らない。

「しかもなんだか引っ込み思案でね、餌を桶に入れても動かないのよね。」

ふうむ、でもそれが彼の個性なんだろうな。いきものって、こちらが思うようにはならない。もちろんそれは自然なことなのだ。

第一子のさち、第2子の国産丸に引き続き、第三子の草太郎。カラダは大きくならなかったけれども、その肉をありがたくいただきます。

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草太郎の肉ですが、いままでさちと国産丸で行ってきた消費者向け焼き肉セットは今回お休みします。ではどうするかというと、ロース一本は10月1日に開催する赤肉サミットに出品。残りの半丸はいつもお世話になっている京都の焼肉店「南山」さんで、近江牛のサカエヤさんのところでドライエージングビーフになり、9月13日に「食べる会」を開催します。もちろん私も参加。それ以外の部位はDABになる部分はDABにし、そうでない部分はカットして希望者に販売することになると思います。

ドライエージングビーフに関心のある皆様、しょうちょうおまちを。きっと、旨い肉になると思うのです。