京橋の東京スクエアガーデン「ぶーみんvinum」で土曜日ランチだけ供されるハンバーガーを食べつつ、きちんとしたハンバーガーと100円台のハンバーガーの違いについて考えた。

2015年1月29日 from 首都圏

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D800 90mm f10 ストロボ3灯使用

ハンバーガーという食べ物は、「肉をパンで挟んで食べるもの」という感じの雑ぱくなものと、きっちり全ての具材をデザインして、「頬張って口の中で混ざり合うことで完成する、口中調理をするたべもの」とに分かれるのだという。そう教えてくれたのは、東京は京橋で「ぶーみんvinum」を経営する、ハンバーガー研究家の白根さんだ。

以前もここでとりあげたように、様々なハンバーガービジネスの立ち上げに携わってきた白根さんが、自身が経営するワインビストロ的業態であるこの「ぶーみんvinum」に伝説的なハンバーガー職人を招いた。それが 吉澤淸太さんだ。

その吉澤さんに、某誌の記事掲載用のハンバーガーを特別に焼いてもらった。冒頭の写真はそのアザーカットだが、基本的にはいま売られていない、吉澤さんのレシピの中でももっともベーシックなバーガーである。

これを観ていただくと、下の方から観てみると、ふっくらしたバンズの上に丁寧にバターが塗られ、その上にレタスが乗っているのだが、このこのレタスが綺麗にバンズの切り口と同じ大きさに丸くカットされているのがわかるだろう。その上にトマト、グリルドオニオン、パティと続く。パティはグリルで焼き目をつけた後、オーブンで焼かれる二段階火入れである。注目すべきはその上に美味しそうに溶けているチェダーチーズ。焼き目がついているのがわかるだろうか?このこんがりした焼き目をつけるために、チーズも火で炙る。

こうしてできたハンバーガーは、大手ファストフードチェーンの100円~200円のハンバーガーとはまったく別の次元の食べ物である。当然ながらその価格も立派なものになる。だからといってそれを「たかがハンバーガーなのに高い!」というのは間違っている、と思う。同じ食べ物ではないのだからね。

最近マクドナルドが異物混入騒ぎなどでいろいろと取りざたされ、業績が落ちているようだが、全てのたべものが世界的に値上がりしているこの状況で、100円バーガーなどというおかしな商品を世に出して、食の価格の平均値を押し下げているしわ寄せがとうとう自分に戻ってきたのではないだろうか。

そんなことを含め、ハンバーガー業界のことについて、先週号と今週号のメルマガに書いたのである。

■メルマガ:たべもの最前線 http://ch.nicovideo.jp/tabemono

第46号:特集:日本のハンバーガーは安すぎる!? 揺れるマクドナルド問題、ハンバーガーの適正価格を考え直す時期がきたか 前編

第47号:特集:日本のハンバーガーは安すぎる!? 揺れるマクドナルド問題、ハンバーガーの適正価格を考え直す時期がきたか 後編

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46号ではハンバーガー業界のこと、47号では、白根さんのお手を借りて、大手4社のハンバーガー(チーズバーガー)を買って来て、軽量して原価推計をするということをやっている。これをすると、やっぱり100円バーガーはちょっとおかしい、ということがわかるのだ。

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そして最後に、吉澤さんのベーシックバーガーの原価計算も割り出してもらった。ファストフードと、グルメバーガーの違いが数字でわかります。

ちなみにこの日(土曜日)、ランチで出た月決めハンバーガーは、なんと、、、

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わかります?

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なんとイチゴ大福バーガー!

パティとチーズのうえにはあんこ、そしてスライスしたイチゴ、そのうえには求肥が乗っているという、想像もつかない構成である!

でも、これが美味いのですよ、、、不思議と。ちゃんとハンバーガーになるように味をチューニングしておられるのだろう。しっかり、ハンバーガーです。

ちなみのこの土曜日の昼、店内はハンバーガーマニアばかりだった。東日本ハンバーガー協会の会長であられる井上真吾さんや、メーテル的美人の井上暁子さんとか、とにかくコアなマニアばかりで、そういう方々が吉澤シェフのハンバーガーを目差してやってくるのであった。

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ハンバーガーとは、コアなたべものである。白根さん、吉澤さん、ありがとうございました!