本物のハーブティーがきた。

2006年10月10日 from 食材


熊本県阿蘇郡長陽村のぽっこわぱ耕文舎からハーブティーが届いた。
前にも書いたが、このぽっこわぱ(フランス語で”Why not?”という意味だ)のドニーさんと佳子さんが僕の農業の先生である。僕の農業の先生は大きく3方いらっしゃるのだけど、その一番最初で、最も影響を受けた先生なのだ。もう何年も行くチャンスがないのだが、自分の方向性を考えるときに必ず頭に浮かぶ人たちがそこにいる。

ワイン好きの人なら、バイオダイナミックという言葉をご存じだろう。ヨーロッパにおける有機農業の源流であるバイオダイナミック農法で栽培されたものを指すのだが、日本できちんとバイオダイナミック農法を実践している数少ない農場がぽっこわぱである。

バーベナ、カモミール、レモングラス、レモンバーム、ミント、そして二条大麦の麦茶。もう15年以上も化学肥料と農薬を使わず、堆肥と調合剤といわれるバイオダイナミック農法特有の有機手法で栽培されたものを原料としている。おそらくこの世で最も手間のかかったハーブティーではないかと思う。

このハーブティーはぽっこわぱでハーブ担当をしているヨウゾウ君の手によるものだ。今年は佳い物ができたらしい。ハーブティーは至極単純なもので、ハーブを乾燥させただけのものだ。ティーバッグに入ってるのだって本来そうあるべきだけど、なにやらいろいろ添加されているケースが多い。でも本来はハーブそのままだから、その葉や花自体の質によって全てが決まる。またハーブはその栽培方法だけではなく、収穫時期の見極めが重要だ。香り成分は油であり、それが植物の体内で最も生成され、収穫物の中に最大限に残存するタイミングを計って刈り取りをしなければならないのだ。

ヨウゾウ君からの手紙には「バーベナとミント、レモンバームをミックスするのがお奨めだよ」ということだったので早速、湯を沸かして煎れてみた。実に色濃く香油成分が抽出される!お奨めだけあって香りも高く味も極上。バーベナとミントの鎮静効果が実にいい。

久しぶりに静逸な午後を過ごしたのであった。