本物の切り干し大根はやっぱり旨いのだ!

2007年4月 2日 from 食材

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神奈川県藤沢市の僕の母校で教鞭ととっておられるM川女史から、切り干し大根を送っていただいた。もちろんキャンパス周辺の農家さんが手作りしている切り干し大根だ。

「売ってる切り干し大根は蒸してから干すようだけど、ここのは蒸さずに干しているからとても美味しい」

というのは本当で、袋に入っている段階で甘やかな香りが部屋に満ちる。
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切り干し大根は日本のどこででも作られている保存食だ。
大根を、カンナの親玉みたいなのでシャリシャリと細長い状態におろして、網戸のようなもので天日干しする。岡山県の山間部ではカンナでおろすのではなく包丁で切れ目を入れて、干すうちにその切れ目が芸術的に紐状に変化して、最終的には一本の大根が2メートル近くもの紐になるという逸品もある。

どれにせよ、とにかく寒の時期に干すことで、日中の陽光を浴びて大根がアミノ酸を生成し、夜間には気温が下がり凍結することで脱水し組織が柔らかくなる。これを繰り返すことで良質の切り干し大根ができるのである。M川女史の言うとおり、メーカ製品は予め蒸して、簡易に柔らかくなるようにしてしまっている。本物が欲しければ産地の直売所などで買うといいだろう。農家が作っているものを手に入れることができるからだ。
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ご覧の通りちょっと幅広の切り干し大根。全国的に形状はまちまちである。切り干し大根図鑑なんかつくったら、1000ページを超えるだろうな。

外で干しているものだから、まずはボウルでサッと水洗いすると土などが落ちる。ギュッと絞りきらずに水をまとわせてほどほどに戻し、酢と出汁と醤油を含ませ甘酢漬けにするとシャキシャキした歯触りがたまらなく旨い。そして切り干し大根の王道はやっぱり煮物。相性のいいニンジンと油揚げとともに出汁と醤油で煮込むだけだ。

しかし大根は本当に素晴らしい。日本ほど大根を重用する国は無いのだけど、その価値のある野菜なのである。

M川さんごちそうさま!