光栄なことだ。シチリア料理「無二路」のメニューに僕の名前が載った。

2004年12月 7日 from 首都圏

このblogの首都圏での顔と言える店といえば、門仲の「寿司処 匠」、同じく門仲のバー「オーパ」、そしてもう一つが、笹塚のシチリア料理「無二路」だ。

二つの路無し、という名のごとく、この店の料理は他では食べられない!年明けにはとある有名なテレビ番組にも重シェフが出ることになった!自分が好きな店がこうして世に出て行くのを観るのはとても嬉しい。そしてもっと沢山の人がこの店の旨さを知ればなぁとも思う。

さてこの週末は、珍しく僕の親に旨いものを食べさせてあげようと、埼玉の実家から両親を呼び寄せてランチとしけこんだのであった。壮年二人だからあまり食べられないと言うのだが、オーナーの大塚さんは、

「まあ、やまけんさんが食べればいいじゃないですか」

と大皿で持ってくることを主張。うーんこの店ではどうあっても俺は手加減されないのであった!

「ところでやまけんさん。コースを一つ新設しました。1980円、2980円、3980円の次の4980円コースを、『満腹満足コース』として、別名『やまけんコース』と命名しました!」

わははははははははは
なんだそりゃぁあ!

これがその証拠写真である!

「小食の方、体調のすぐれない方はご遠慮ください」

というのが効いているではないか!

さていつもどおりの前菜の前に、ここの絶品レバーペーストと一緒に、リエットが出てくる。

「これ、イベリコ豚のリエットなんですよ!」

おお、イベリコで作ったのか!リエットは生活の知恵というか、洋風しぐれ煮というか、肉の繊維がポロポロになるまで煮込んで、おのれの油分でクリーミーに練り上げた保存食だ。

たっぷりとバゲットに塗りつけバクリと食べる。イベリコのアタックの強い獣肉味が脂で和らげられて、落ち着いたいい味だ。

その後に前菜盛り。うちのオフクロにはこれだけで腹一杯になる量だ。


厨房を覗きに行くと、重シェフ、コバちゃん、とも子の三人が忙しく立ち働いている。

「あと魚と羊出しますからね!」

そんなにうちの親は食べられないよ、と思いつつ待っていたら、初めての料理が出てきた!

これが「鯛とクスクスのトラパーニ風」なのかな。微粒子のクスクスがトマトで煮られていて、艶っぽくて旨そうだ。僕は、羊などの獣肉とあわせたクスクスよりも、魚介との相性の方が好きだったりする。ちなみに写真ではソラ豆みたいな緑の扁平な物体があるが、これは掌でパンと潰したオリーブである。念のため。

このトマト味を吸ったクスクスが絶品だ!パサパサ感は全くない。しっとりとねっとりと、アッサリ目の鯛の実に色気を添加してくれるではないか。本日はこの一品がベスト。

この後、恒例の羊。北海道産の乳飲み子羊のグリルは、相変わらずの柔らかさ、香り高さ。

まったく臭みがないどころか、微妙なミルキーな香りが、もう満腹のはずの親父の口を停まらなくさせている。よかったよかった!

腹一杯!この日は夜にオーパ水澤君の祝勝会があるのでホドホドにしておこうと思ったが、全然ホドホドではないのであった。

さてオーナーの大塚さんがまた面白いことを考えている。

「無二路の料理で惣菜屋をやろうかなって思ってるんですが、、、全部うちで仕込んで、デリみたいに提供するような感じです。」

いいんじゃないか! このblog読者の方で、近所に無二路のデリが欲しいという人、コメントに名乗りを上げて下さいませ。きっと考慮の対象になると思われます。

この後、重シェフと、間近に迫ってきたシチリア食い倒れ旅行の打ち合わせ。10日前後のハードな食い倒れになりそうだ。ふっふっふまってろよイタリアよ、シチリアよ!

メニューに自分の名前が載ったこと、メシが旨かったこと、親孝行できたことに幸せを感じながら、次なる会場に向かう僕であった。