パスクワリーノが泣いた夜 第三回オフ会は感動の祝宴だった!

2005年4月27日 from

いや、僕まで泣けてきた夜でした。

4月26日、早朝からやらなければならないことでテンパっていて、オフ会の準備が殆ど出来ないまま無二路に向かった。まあ何とかなるだろう、人が集まり、美味しい料理が出てきて、そして強烈なパスクワリーノがテーブルを回れば、それだけで十分過ぎるほど楽しいはずだ。

会場1時間前の17時に店にはいると、ふだん、壁などには最低限の装飾しかない店の内装が、パスクワリーノモードに一新されていた!

そう、パスクワリーノはけっこう芸術家肌なのだ。彼特有の美学があって(ムチャクチャだけどね)、こういった装飾にやたら手間をかけるのだそうだ。

「すごい内装だけど、パスクワリーノが帰ってこれをはずすと、少し寂しくなるんですよぉ、、、不思議ですね。」とは大塚オーナーの談である。

「オオ!ケンジ! ○△■~◎☆、、、」

と僕を普段着のパスクワリーノが笑顔で迎えてくれた。なんか、シチリアでは「ケンズィ」と発音していたのが「ケンジ」に修正されている!だれが直したのだろうか??

もう1週間くらい大塚オーナーの実家に居候しているパスクワリーノで、日本での生活にも慣れている感じで、落ち着いていた。一通り挨拶が終わると、ブラッドオレンジジュースを小脇に抱えて店の外に出る。

「俺は開始時間までジュース飲んで着替えて待ってるからな、お客さんが揃ったら電話しろ!」

と、オーナーのご実家に帰っていった。なかなかニクイ登場を考えているようではないか!

さてそうこうしているうちにぽつりぽつりと人が集まり始めた、、、と思ったら、どどどっと本日の来場者さん達が集結。初めて合う人、そうでない人多種多様人種雑多!みるみるうちに席が埋まっていった!


ちなみに本日のメニューは、このような内容だ。
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■アンティパスト
前菜盛り合わせ”リストランテヨニコ”風

■パスタ
エトナ山のようなイカスミのリゾット
カターニャのリストランテ”ラ・シチリアーナ”のスペシャリテ
手打ちフェットチーネのペスカトーレ
ウニのリングィーネ

■セコンド
乳飲み仔羊のオーブン焼き シラクーサ風

■ドルチェ
シシリア風カッサータ・リモーネのケーキ

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このメニューもパスクワリーノデザイン。大塚オーナーがパソコンで打ち出すのだが、「あれはこうしろ、ここの色は赤だ、ここはそうしろ、、、」とすぐに変更変更となるので、大塚オーナーも死にそうに苦労したらしい。パスクワリーノが情報システム開発のクライアントだったら、仕様が二転三転して大変なことこの上ないだろうな、、、(笑)

さあ、時間だ!大塚オーナーにパスクワリーノに来いと連絡をしてもらいながら、店の入口にたって37人の来場者に声を張り上げた。

「皆さん!オフ会とは言っていますが、本日はシチリアからやってきてくれたパスクワリーノを気持ちよ~くして帰すためのイベントです(笑)生パスクワリーノをご堪能下さい!今からパスクワリーノが向こうから登場しま、、、」

「やまけんさん、パスクワリーノが本日のメニューに一人一人へのサインを書き込んでいるので、もう少し待てとのことです」(大塚オーナー)

うおッ!なんだよまたかよ!パスクワリーノと付き合うのは本当に大変なのだ。超マイペースというか何というか、、、大塚オーナーがパスクワリーノを迎えに行く。その間、参加者皆さんとお話し。と、井の頭通りの向こう側から、白いコックコートにメダルやバッジを色とりどりにつけたパスクワリーノの姿が!道を渡り、コック帽を頭に載せ、そして店の入口に到着した!

「みなさん盛大な拍手でお迎え下さい、シチリア・シラクーサからやってきた、偉大なシェフ パスクワリーノ・ジューディチ!!」


入口を開き入ってきたパスクワリーノはしばし、37人の盛大なスタンディングオベーションのシャワーを浴びて突っ立っていた。手を軽く広げ、ゆっくりと店内を見回して、なかなか口を開かない。

ふとみると、なんと彼は感極まって涙を流していた!

僕はみてしまった。鉄の男パスクワリーノの両目から涙が確かにこぼれているのを、、、

「皆さん、本当に今日私は満足しております。このような歓迎を受けて、本当に嬉しい。私は日本のリストランテのシェフに沢山料理を教えてきました。しかし無二路はその中でも本当に特別な店です。今日は、私の一番腕のよい弟子であるキーコが私のレシピで腕を振るいます。どうか最後まで楽しんでいって下さい」

というようなことを10分以上かけてとつとつと語ったパスクワリーノ。僕と大塚さんは顔を見合わせてしまった。彼が泣くなんて本当に初めてみたし、想像だに出来なかったのだ。

ちなみにこの日、イタリア在住歴10年の加納さんに通訳をして頂いた。この方も今後、食い倒れ日記にそうとう絡んで頂きたい人であるが、それはまた別のエントリで。

さて、宴の始まりだ!
どの席からも、むんむんと料理とパスクワリーノに対する期待充満!




■前菜盛り合わせ”リストランテヨニコ”風

10種類くらいの前菜が盛り合わせになった皿、いつも出ているものだけではなく、豆の入った海老のマリネなど、たしかにシチリアに行った時にヨニコで出てきたものが並んでいる!

「す、すごいですねぇこれ前菜ですか?」

とは、初無二路の人たちの感想だ。

■エトナ山のようなイカスミのリゾット
なかなかパスクワリーノが厨房から出てこないなと思ったら、何やらスゴイものを作っている!

厨房奥に見えるのは、「黒い山」エトナ山から、マグマが噴出している立体オブジェ!と思ったら、山のようにうずたかく盛り上げたイカ墨リゾットのエトナ山頂からチーズ、トマトソースが噴出しているようなデコレーションであった!

パスクワリーノがこれを持って各席を回る!

「おおぉ~ 山だぁ~!」

とどよめきが起こる!そしてパスクワリーノがいちいち「フォトぉ!フォトぉ!」とポーズをとるので、各席で凄まじい大撮影大会である!みよ、このカメラを持った一群の前でポージングするパスクワリーノを!


もう、会場内は大興奮のるつぼである。
こんな感じでいろんなところに見せて回っているから、リゾットは少し冷めて出てきてしまった(笑)

けど旨い!イタリア米をしっかりと芯を残したアルデンテに仕上げているので、ガツっとした食感だ。

そしてお待ちかねのパスタである。

■手打ちフェットチーネのペスカトーレとウニのリングィーネ

やはりうずたかく手打ちフィットチーネが積まれている!

ここでもパスクワリーノのポージングタイム炸裂!パスタが伸びるっつうの!

ご覧の通りトマトは微妙にしか使われていない二品。手前のウニのリングィーネが超絶品だ!ニンニクをきかせたオイルに鮮度のよいウニのクリームが溶けて、魚介類でとったブロードが硬めのリングィーネに絡んで、ウニのアロマがブワッと口中を満たすのだ!

奥のフェットチーネも旨かったが、手打ちパスタだとどうしてもいつものキレの良さが出てこないな。でも、これがパスクワリーノのご指定パスタだったらしい。これはこれで美味。

ちなみにパスタを作る厨房内もものすごい量を一度に出すので大変。

でか鍋を使ってサルサとパスタをサルターレ(和える)しまくるのである!!

(続く)