とびきりの梨のキーンと冷やした旨いヤツ

2005年9月22日 from 食材

僕の農業の師匠にあたる農園は2つある。高校時代に出会った有機農業を営むぽっこわぱ農園という農場が阿蘇にあって、もう一つは大学時代に畑を提供してくれた、神奈川県藤沢市の飯島農園という。何回かこのブログでも書いたと思うが、地元の品評会で金賞を何度となく受賞している超優良農家さんである。

中でもこの飯島農園の果樹が滅法旨い。ブドウと梨が主力で、シーズンになると街道沿いの直売所に近隣の人が車でひっきりなしに買いに来る。藤沢は少し郊外に出ると畑ばっかりのド田舎なので、近隣の人は直売所に慣れていて、余程美味しいところじゃないと買いに来ない。飯島農園は近隣どころか横浜とかからわざわざ買いに来る人が居るほどの存在なのである。

この写真はナシではなくてブドウ園だ。先日、むかつくことにこのブドウ園に泥棒が入り、収穫直前の高級ブドウを20万円分もいでいかれてしまったそうだ。最近この種の犯罪があまりに多い。そうした盗品農産物はインターネットオークションサイトでたたき売られるケースが多いらしいのだが、なんとかならんものだろうかと思う。

このお方が私の農業の師匠の重要な一人、飯島正博さんである。


その飯島農園から梨が届いた。幸水の季節が終了していたので豊水が沢山と、それと秀玉(しゅうぎょく)という見慣れない品種が入っていた。

農産物の業界では「秀」は等級、「玉」というのは量目を示す単位なので、そういう符丁なのかと思ったら「品種の名前なんですよ」ということであった。これは初めて食べる梨である。

「相当に美味しいんで食べてみてください、独特な香りがするんですよ」

と、飯島農園の愛子さんがおっしゃるので、早速皮を剥いてみたのである。ご覧の通り外観は綺麗とは言い難い、赤梨の系統なんだろうけど、大きい斑点が目立つ無骨なルックスである。玉はかなり大型で3Lくらいのサイズかと思う。

まあ梨の新品種っていってもなぁ、と思いながら一口かじってみた。

シャリっと歯が通った瞬間、なんとも言えない濃い香りと共にジュースが噴出してきた!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
なんという特徴的な香り!
変わり梨というのではなく、あくまで正統な梨の味と香りを、フレッシュさを損ねないように煮詰めて濃縮したような、そんな風味である!果汁はこぼれんばかりに細胞内に湛えられており、堅くもなく柔らかくもなく、理想的に歯がしゃりしゃりと通っていくのだ。

驚いて早速電話をした。この秀玉ばかり10キロくらい送って欲しいと、、、

「あら残念。その2コで今年はオシマイなんですよ」

あああああああああああああああああああああああ
かなり残念である!
来年まであの味は再会できないのかぁ、、、

と思っていたら偶然にも本日、新潟の長岡で青果物商をしているJIN(巾着ナスのエントリでお馴染みだ)から、

「秀玉っていう最高に旨い梨を送りますよ!」

というメールが!
おおおおおおおおおおお
これぞ以心伝心。

出張あけにタップリ味わせていただこうと思う。

飯島農園の秀玉は終わってしまったが、豊水などはまだしばらく買うことができる。ちなみに豊水も激烈に旨い(今年食べた一般梨の中では最高レベルだった)ので、お近くの方は寄ってみてはどうだろうか。

■飯島農園(農場までのマップ等あり)
http://iifarm.seesaa.net/

このWebでは飯島農園の若き後継者、やすのり君がブログを書いている。野菜なども買えるので言ってみて欲しい。