世界バーテンダー技能競技大会で水澤君はどう戦ったか!? 4日目 ファイナル

2005年10月23日 from 出張

WCCとFTCのことばかり書いているけれども、フィンランドという国はとてもcomfortableな国だ!ヨーロッパのホテルで佳く感じるといわれる不愉快な態度は全くないし、親切。町並みも綺麗で、郊外に出ると文句なしに美しい田舎空間が拡がっている。

ヘルシンキ市内は一日で全て回れるほどの小ささだというが、今回はホテルと会場のフィンランディアホールまでの徒歩10分の往復に終始した。もちろん市内、郊外観光はしたけれども、機会があればまた来たいと思う国だった。インターネット環境はバッチリだしね!この滞在中に覚えた言葉が「キートス!(ありがとう!)」だけだったのはフィンランドの人に申し訳ないんだが、、、


で、メシなんだけど、美味しいとは言える。
と言うと微妙な表現だけど、基本的に明らかにマズイ店にはあたらなかった。しかし、止めの旨味がないというかなんというか、グルタミン系の旨味成分が不足している感じで、全体的に乳製品系のまろやかな味付け。パンチがないので際限なく量を食べてしまうという感じだ。イタリアでは日本食が全く恋しくならなかったが、フィンランドのホテル、外のレストランで4日間飯を食って、たまらなくラーメンが食いたくなった。事実、関空についてすぐさまラーメンとカレーを食べてしまった、、、

さて
大会最終日、WCCのファイナル、FTCの上位三名の演技と結果発表、が行われる!ムチャクチャに楽しみである。まずはフィンランディアの1Fホールでディナーだ。

本日で一応行事は終了で、僕はみんなより一日早く帰るため(北陸出張が入っているのである)、最前列で記念撮影などさせていただく。

他に並んでいるのはNBAの偉い方々である。日本バーテンダー協会(NBA)は非常に面白い方々の集団であった!ドンといってもいい風格の沢井さん、どの国にいっても「Kenji!」と声をかけられるという中村さんなど、興味深い御仁が勢揃いであった。


さてまずはWCCのファイナルである。
予選、セミファイナルで選び抜かれた6名が決戦を繰り広げるのだ。
スウェーデン、フィンランド、スロベニア、イタリア、ベルギー、イギリスの代表選手達が壇上に勢揃いする。もう、最前列は静止する係員をそっちのけで各国応援団がギュウギュウと押し合いをしている!

ちなみに
こいつがイギリスからの代表、マイケル何とか。うちの嫁が「キャーカッコイイ」と心奪われた男である。

例のアナウンサーのスタートの声がかかって競技開始!
各国応援団やマスコミなどが写真撮りまくり。ものすげー熱気なのは下の写真からも伝わってくるだろう。

7分立って終了~!熱い7分間でした。


これから審査のため、一端選手退場。審査の最中に、FTCの上位3人の演技があるということなのだ!

ちなみに上位3名とは、スウェーデン、アメリカ、そしてウルグアイの選手。ウルグアイとアメリカの選手は昨年も出場し、1,2位だった宿命のライバルである。アメリカ人は、ラスベガスで本職のフレアーバーテンダーをしている、まさにプロフェッショナル。きっちり構成された、ムチャクチャ色気のあるフレアーをする人だ。会場総立ち。その演技をぜひ観て欲しい!

■アメリカ代表のフレアーテンディング
28.2MB

もうこれでアメリカ優勝でしょ!と思っていたら、、、
昨年度の覇者ウルグアイ代表の若い若い選手が、、、これが本当にファンタジスタとしかいいようがない演技をしちゃうのである!



■ウルグアイ代表のフレアーテンディング
24.7MB

今年も一位は文句なしにウルグアイ!この青年が一位なんである!

いやー 本当にスゴイ。会場内は沸きに沸いた。
まあこのフレアーテンディングはエンターテインメントとしての要素が濃いので、WCCの発表はこれを上回ることはないだろう、と思っていた。

違った!

WCCファイナルの結果発表、会場内は自国をコールする凄まじい歓声に包まれたのだ!
そして優勝したのは、、、

すっごく地味で渋い、年配の選手が作った、ベルギー!
会場が爆発し、ベルギーの応援団が国旗をもって壇上に駆け上る!

どおおおおおお
と沸きに沸き、クイーンの「WeAreTheChampion」が流れる。
これが世界大会なんだなぁ、、、
良いものを見せてもらった。


会場内はバンドが入り、祭りの後のパーティへ。もう選手も関係者も一般も入り乱れて飲みまくる夜となった。

そういえば今回はこの一カットだけが、水リンとのショットだ。実は水リン、ファイナルのカクテルを審査する部屋に入れてもらい、すべてテイスティングしたのだそうだ。

「味の想定が全く違いましたね。やはり『ファンシー』という意味を違えていたと思います。もっと大胆なカクテルを作らなければならなかった、、、けれども、美味しいカクテルかというと、美味しいのもあったし、正直『ん?』と思うものもありました。ですから、本音を言うともう一回やりたいですね、、、」

僕も同じ気持ちだ!
前にも書いたが、NBAでは選手は1回しか国内チャンピオンになれない。そして国内チャンプが世界大会の出場権を持つ。従って、日本からの出場者は毎回毎回初心者なのである。それはNBAにとっては、賞を取るよりも人を育てる、モチベーションになるわけで、とても重要な意義があるとは思う。しかしそれはわかった上で、いずれかの時点で「世界を獲りに行く」という方向性も持って頂きたいと思う。

それには、世界の雰囲気を知った経験者を集めて、その中で再度チャンピオンズリーグを開催して、その覇者が世界大会に出るという方式にしたらどうだろうか、と思った。まあ、外野の素人が言ってるだけですけれどもね。

水リンと、嫁さんのヨーコちゃんと飲んでいる内に、だんだんとヨーコちゃんが妖精化してきたので(笑)先にホテルに帰り、バタンキューしたのであった。

いよいよ帰途につく。