秋田の冬の味覚をこれでもかとたっぷり味わってきたのだった。

2006年12月 1日 from 出張

昨晩、秋田出張から帰宅。今回も県庁の佐々木さんにご案内いただいたが、またも凄まじい旅程でした。熱がずっと下がらなかったけど、食い続けました。

しかしあれだな、肉をほとんど食べず、がっこ(漬け物)とご飯が中心だったせいか、全くお腹が疲れていない。秋田県人は蕎麦をあまり食べないというのが肌でわかった2泊3日だった。

2日目朝は朝市からスタート。

秋田の県魚といえるハタハタはちょうど解禁になり、ケース2500円程度で販売されていた。

地品種のカブが数種類みかけられた。やはり東北はカブ王国である。

カラシナが大量に積まれていた。この時期、漬け物にするのが主だが、これを炒め物にするとメチャ旨い。凄まじくかさばるんだけど、一山買ってきてしまった。

芹(セリ)のシーズンまっただなか。前にも書いたが、秋田県人はセリの根っこを美味しく食べる。関東人はぎょっとするかも知れないが、根が実に美味しい。ジャクジャクした歯触りと、葉部と同じくらいに薫り高い風味にノックアウトされること間違いない。



銘酒「まんさくの花」で有名な日の丸醸造(株)さんへ。

以前、秋田編でお会いした、「雪の茅舎」の高橋杜氏と同郷で、里芋生産の部会長でもあられる高橋杜氏である。むろん酒米もご自分で栽培しておられるのであった!

実は酒造見学ももちろんだが、酒蔵の朝飯をいただくというのがこの日の趣旨。この日の丸酒造さんには、スーパーまかないさんがいらっしゃるのである!









横手のパン屋「フレンドール」のメロンパン。はまるほどに旨い!あくまで軽いパン生地と、これも軽めのクリームの相性が最高。いままで食べたメロンパンのなかでも傑出した旨さだ。地方にはこんな店がたくさんあるのだ。


前回秋田編で、「グリーン豆腐」を訪ねた際に、豆腐にかける醤油として勧められたのがここ。安藤醸造元の醤油は実にすばらしいものだった。


特に、5年熟成させた醤油を使って再仕込みする「イ号」という商品が、まさに究極の濃厚さ。アミノ酸等無添加の素晴らしい世界が拡がっていた。



秋田県人は蕎麦をあまり食べないそうで、びっくり。とにかく米があるかららしい。
そんな中で、23町歩もの面積で蕎麦を栽培し、そして自分で打つ素晴らしいそば屋がある。


蕎麦のレベル、非常に高し。つゆの味も素晴らしい。なんでこれがあまり秋田では受け入れられにくいのか理解しがたいが、同じ日本でもこれだけ食の嗜好が違うというのは、ある意味豊かだとも言えるなぁ。

そして夜は宴会。八森から「白滝」の山本専務、能代からは天洋酒造の浅野さんが駆けつけてくれた。
「酒庵 たなか」のきりたんぽ鍋は、さすが料理屋!と唸りっぱなしの旨さ。自家製きりたんぽは7分づきのアキタコマチで、穀物本来の風味が豊かだ。比内地鶏のスープがしみこんでトロトロになったのが旨い。



白滝の山本専務。「今年は杜氏も出力全開。いい酒ができますよぉ!」と同い年で意気投合。全国の昭和45/46年生まれよ、決起しましょう!

「秋田の酒バカ一代」の浅野さんには「前回いらっしゃったときのブログに、雪の茅舎の酒は燗に向かないと書かれて悔しくて、今日はそれをひっくり返す酒を持ってきました」と言われた。

まさしくひっくり返った! 冷やではわりと平凡な大吟醸と思ったのが、ぬる燗にしたときにほどよい酸味としぶとさが現れ、全く世界観が変わる! 燗冷ましだともっと旨いと仰る。いや、不見識・無見識でした。雪の茅舎、素晴らしい酒です!