山形県朝日町のあの蜜入りりんごの樹が、豪雪で折れたという連絡。 農業は先の見えないリスクを負っている。けれどもこのりんご食べてみて欲しい。

2007年11月26日 from お取り寄せ

今年も”あのりんご”が届いた。
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山形県朝日町の山の上の「和郷平」という地域でリンゴ農家を営む、鈴木果樹園のリンゴだ。
あの、暴力的に蜜が詰まりまくっているリンゴだといえば、昨年・一昨年から僕のブログをみているひとならおわかりだろう。

昨年は、蜜入りのフジの6個入りを販売し、限定数量がまたたくまに売り切れた。蜜がびしっと入っている実を選り分け(生産者にはわかるらしい、、、)、市場などに出荷するのとは違う、味重視の選び方をしてもらったこの商品は、鈴木果樹園の名前つき・顔つきの商品だ。気合いを入れて今年も生産に取り組んでいた。

そんな山形を、先週の週アスまつりの前日、何の前触れもなく豪雪が襲った。長野などでも被害がでたが、山形の山間地の果樹は、降り積もる雪の重さでベキベキと音を立てて折れたという。

「うちのりんごも、相当折れました、、、」

と連絡がきたのは、週アス祭り当日だった。
これが折れたリンゴの樹の写真だ。
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主幹がベキンと折れてしまっているのがわかるだろう。
実はこの園地は、蜜入りリンゴを収穫するために手つかずにとっておいたところで、そのため枝にはたわわにリンゴが実っていた。そこへドカ雪がどーんと降り積もり、その重さに耐えられず、樹が折れていったのだ。まだ雪がひどいため、被害の全容ははっきりしないそうだが、来年度以降もきちんと実をつけるリンゴの樹がどれくらい残っているのか、とても心配だ。

「でも、蜜入りリンゴ出荷用の分は確保できそうです。実は雪が降ったせいで急速に冷えて、蜜の入りが余計にすごくなりました。俺、今日食べてみたんですけど、、、リンゴっていう存在を超えたものの味がします」

という。
農産物は寒さが強まると、自身が凍らないように防御をする。たとえばデンプン質のものは、凍らないためにデンプンを糖に変えるのだ。雪下にんじんとか雪下大根とか、雪の下で貯蔵した野菜がやたらと甘くなるのはこの原理である。

そして今回のリンゴも、けがの功名というべきか、やたらと蜜がのりまくっているらしい。出張から帰る木曜日に僕のもとにそのリンゴが届くそうなので、割ってみたらまた写真でアップしたいと思う。

ちなみに、3週間前の時点で彼から送られてきた、今年のリンゴのサンプルはこんな感じだ。
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びっくりすることに、まだまだ収穫適期でないのにもかかわらず、蜜が入りまくっている!
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蜜の透明感で向こう側が透けてしまいそうだ。

味も、この時点ですでに満点に近い。「蜜」の正体はソルビトールといって、植物の体内のエネルギーが消化しきれず、細胞からしみ出たものだ。だから蜜自体は甘くはない。しかし、エネルギーを消化しきれないという状態は、つまり完全に熟した状態ということだ。だから、蜜が入っているリンゴは完熟していて、甘い。それは確かなことだ。

加えて、和郷平のリンゴは、ほかの地域のにくらべてパキッとした強い食感が特徴だ。柔らかなリンゴを好む人もいるだろうが、ここのリンゴはパキン!と音が立ち、冷たい果汁がジンッと弾けるものだ。僕も嫁も、ちょっとほかの地域のリンゴとは比べられないほどに好きなのだ。

これが、雪の影響でもっと蜜が入りまくっているという。

12月7日からの出荷を目指し、いま彼は雪をかき分けて収穫し、選果している。
このリンゴ、ぜひ買ってあげてもらえないだろうか。

これ、被害にあった産地だから、お涙ちょうだい商法、には絶対にしない。僕はこの商品を販売者に紹介したため、一箱につき150円の紹介料をもらい受けることになっている。限定300箱×150円で45000円。今回は彼のところに出張していないから、僕には費用はかかっていない。だから、微々たるものだけど全額を彼の来年度の補修経費に寄付しようと思う。

その上で言うけど、鈴木君のリンゴ、マジで旨いリンゴですよ。それは保証する。

http://store.yahoo.co.jp/organic/wg0736.html

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