やっぱりこの人は天才だよね、シュングルマン小池俊一郎によるドライエイジドビーフを核としたコースに胸打たれ胃袋満杯にして、行き果てる。

2015年8月18日 from ドライエージングビーフ,首都圏

_8170475

さて、このブログでは久々に登場!

_8170486

もうかれこれ11年のつきあいになるんだよなぁ、、、小池俊一郎、来月はあのトップシェフの読む雑誌に登場するという。この街場の小さな店が、、、素晴らしいことである!

で、愛媛の山本牧場からきた若き生産者を彼の店に連れてきたのは、これを食べさせるためである。

_8170375

マルヨシ商事による、北十勝ファームの短角牛の130日ドライエージドビーフである。

_8170376

通常、マルヨシ商事はすべてカビを除去した状態で出荷するのだが、シュングルマンはよほど信頼されているのか、原木のままである。

_8170380

中身は、余計な水分が一切抜けて、実に食べ頃感がみてとれる。

で、今日はこういうコース。

_8170488

_8170394

焼きトウモロコシの冷製スープ、今年一番の美味しさはこの店だった!

_8170396

素晴らしい。トウモロコシを食べるよりもトウモロコシが粒状に凝縮されている。

_8170395

ツブ貝も鮮度バッチリ。肉の旨い店は海鮮も美味しいものだ。

_8170399

そして、相変わらずすべてを一から、ぜーんぶ一人で仕込むシャルキュトリー群。いいかげんに人をいれればいいのに、自分でやらなきゃ気が済まないのだろうか。

_8170409

_8170410

野菜の下にはバーニャカウダソースが忍ばせてある。

_8170411

シャルキュトリーはぜんぶで八品目。「お盆明けなので材料が薄くて」というが、十分でしょ!

_8170413

温前菜はなんと梅山豚とキノコ!

_8170415

早松やアワビタケ、サマーポルチーニなどのソテーと低温真空調理の梅山豚、そして焼きナスが下に敷かれて、照り焼きソースのように甘酸っぱいシェリービネガーソースでいただく。

_8170429

「これ、前菜ですか???」

と山本君が訊いてくる。そうだよね、それが正しい反応だよな。

_8170435

こいつが実にうまかった! アオリイカの肝と墨をつかったソースサルミ風。

_8170437

アオリイカのしこしこした身肉に絶妙な火を入れ、肝と墨を使って、ジビエでよくやるソースサルミ風にしている。

_8170440

これは素晴らしい創意工夫! 実は創作フレンチ界の巨匠が訪れて「これは旨い!」と言って、こんどは店のシェフ達を連れてきて「これだよ、このイカ旨いんだよ!」と食べさせていたという。ムッシュ、こんど僕もご一緒させてください(笑)

さてこの時点で腹八分目になってるけど、肉登場。

_8170449

もう、見た目でがつーんと殴られた感があります(笑)

_8170454

手前が短角牛のDAB、奥の直方体は佐賀牛だ。 え、佐賀牛!? そうか、通常の黒毛との食べ比べをさせてくれたのだ。

短角牛のDABは素晴らしい仕上がりと、炭火での火入れが抜群。脂身はチーズのようなふくよかな香り、赤身部分のテンダネスも極まり、実に美味しい。これぞマルヨシドライエイジングの味だと言える。

佐賀牛、おそるおそる食べたけど、さすがにこれもマルヨシ商事の引いた個体、現代的な黒毛にしては美味しかった。でも、やっぱり二口でズシーンと身体に来ますね。

「さてやまけんさん、お食事は?」

と小池君が訊いてきたとき、山本君が「ええっ?」と声をあげる(笑) でもね、これはたべようよ、鮎パスタ。

_8170465

鮎の肝をうるかのように熟成させて、アンチョビのようにしてパスタに絡ませる、小池君のスペシャリテ。

_8170475

鮎料理の中でも最高傑作だと思うおいしさだ! 山本君も 「あっ これは旨い! これなら食べられます!」と結局たべていた。

_8170478

ドルチェは、チーズケーキと飯尾醸造の紅芋酢アイスに、蜂蜜いり紅芋酢をかけて。

_8170481

黒毛の脂でうわーんとしていたのが、さっぱりに!

_8170505

快進撃を続けるシュングルマン、実に小池色を強めていました。 ごちそうさま!美味しかったよ、、、