岩手県久慈ファームの佐助豚 通常の熟成と3週間ドライエージングの比較。豚のドライエージングは牛とは少し違う結果となります。ナッティーフレーバーは発生しない!

2015年9月 7日 from 食材

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岩手県の二戸市にある久慈ファーム・久慈剛志君は、二戸の銘柄豚である佐助豚を生産する意欲的な若手生産者だ。いろんなところで会っているし、僕の大好きなおそば屋さんである米田工房そばえ庵のすぐ裏手に畜舎があることもあって、よく「あれっやまけんさん!?」「おおーなんだよいたのかよ」「いえこの裏がうちの豚舎です」みたいな出くわし方もしている。

その久慈君が豚肉の熟成をテストしてみたというのでサンプルを送っていただき、モニター評価をしてみた。

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ロース、肩ロース、モモ、バラそれぞれが、通常のウェットエージングとドライエージングの二つづつに分かれて入っている。これ理想的です。こうやって比べないと違いはなかなかわかりません。

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とはいっても豚の個体が違うはずなので、サシの入り方とか部位とかの微妙な違いで差は出るんだけど。でも、まずドライエージングの方はやはり水分活性値が低くなっていることが、表面の水分のにじみ方をみてもわかる。

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どちらがウェットでどちらがドライかは、みるひとがみればわかるよね。

ただ、できればドライエージングのほうはもっと風を強くあてたほうがいい。この熟成は、冷蔵庫を輸入してる業者さんのところでやったようなのだが、庫内の風の舞わし方はもっと強くしたほうがいいだろうと思う。

そうはいっても、3週間ドライで熟成しただけあって、自由水のぬけかたは悪くない。下はフライパン焼きだけど、どちらがドライかはすぐに分かるだろう。

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ということで、全部位いただき、いまアンケートシート記入終了。詳しくはここでは書きませんが、熟成方法をとぎすますことでもっと伸びしろがありますね。

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ちなみに豚肉のドライエージングは、牛肉のそれとは結果に違いがある。牛肉で生じるナッティーフレーバーは豚ではあまり期待しない方がいい。フレーバーを産み出す要素が違うのだ。その代わり、シルクのような柔らかな食感になり、脂の融点が下がってまろやかな風味になる。もしかすると豚肉のほうが、ウェットとドライの違いが大きいかもしれない。

もちろん、それはちゃんと熟成されていればの話なんだけど!

詳しくはまた個別に。久慈君、どうもごちそうさまでした!